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単独性=普遍性(ブランディングの話その9)

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「一般性:個別性」の対と「普遍性:単独性」の対を区別することは、ブランディングを語る上で根本的に重要なポイントです。

柄谷行人氏の主著の一つ「トランスクリティーク(2001年)」より:

一般性は経験から抽象されるのに対して、普遍性は或る飛躍なしには得られない。

たとえば、ヘーゲルにとって、個別性が普遍性(=一般性)とつながるのは、特殊性(民族国家)においてであるのに対して、カントにとって、そのような媒介性は存在しない。

それはたえざる道徳的な決断(反復)である。そして、そのような個人のあり方は単独者である。そして、単独者のみが普遍的でありうる。

ところで、われわれは単独性について語ることができない。なぜなら、言語はいつもそれを個別性:一般性の回路に引き戻してしまうからだ。

たとえば、われわれは「この物」や「この私」が特異であると感じている。だが、それをいおうとすると、たんに一般概念の限定化でしかなくなる。

「一般性:個別性」で物事を考えると、その事物の特殊性(属性)を語ろうとする陥穽に陥ってしまう。

整理すると:

「一般性:個別性」の回路:
その特殊性(属性)を語る。排他的世界観・選別・差別に帰結する。

「普遍性:単独性」の回路:
その普遍性そのものを語る。普遍的価値観・多様性をもたらす。

#JustDoIt

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