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高校卒業直後にアメリカの全寮制高校に飛びこみ、文化、言語、価値観、人間関係、そして勉強で七転八倒しつつ適応していった、5年間の留学生活から学んだレッスンを、具体的エピソードを交えて紹介。

留学前にやっておけばよかったと後悔したコト

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高3の春に留学を決意したので、いわゆる受験勉強からは解放されました。

留学を担任の先生に表明したのは高3なりたてのころでして、その瞬間、

「内申も偏差値も気にしなくていいんだ!受験のために嫌いな科目も勉強しなくていい、バンザーイ!」という解放感を味わいました。あの清清しさはいまでも忘れません(笑)。


とはいえ、受験から解放された代わりに英語はしっかり学んでおかねばなりません。よって、結局勉強そのものからは解放されてはおりません。ただ、少なくとも自分で決めたことだったので、苦にはなりませんでした。

で、それから約1年、万全の準備で臨んだつもりでしたが、現地では予想外のハプニングの連続でした。そこで今回は、「留学前にやっておけばよかったと後悔したこと」を紹介します。

(この情報がどれだけの人に役立つかはわかりませんが)



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1 文法<単語

現地でモノを言うのは「単語」の量です。とにかく英語の数(と慣用句)をひとつでも多く覚えておくこと。

ハッキリ言って、高校レベルの単語量では、日常生活すらおぼつきません。授業についていくなどもってのほか。あせった私は「毎日100個新しい単語を覚える!」とかやってました。

つい日本人特有のクセで、正しい文法や用法をマスターしようという気になりがちですが、その辺は中高で十分やってます。(単語とは別にTOEFL対策はそれはそれで必要なので、おろそかにはできないわけですが)

スポーツにたとえると、「単語量=筋肉量」です。どんなスポーツをやるにせよ、最低限のフィジカルは必要になります。筋肉があらかじめあったほうが、もやしっ子より上達が早いのは当然ですよね。もちろん運動神経(文法やTPOに合った用法とか)もあるに越したことはないですが、筋肉がないと話にならないのです。




2 スラングは、現地で学んでも遅くない

慣用句は知っておく方がよいと書きましたが、スラングは別です。

「使いこなせたらかっこいいかも」とスラングを仕込んでおきたい気持ちは分かりますが、意外に使うシチュエーションが見つけられないです。そもそも、日常会話すらおぼつかないくせに、粋がってスラングを発したところで、「無理してる感アリアリ」でカッコ悪いんですよね。

また、スラングはTPOの見極めがけっこうむつかしい。人種差別とか性差別とかのニュアンスを含んでいる場合が多いので、ひとつ間違うと大恥をかく可能性もあるわけです。恥で済めば御の字で、最悪友人を失うことも。スラングは英語の上達にあわせ、現地人から学び、小出しで使うのがベターです。

余談ですが、州や地方によって使われるスラングは大きく変わります。たとえば炭酸飲料ひとつとっても、場所によって「コーク(7UPもDr.Pepperも、なぜかコーク)」、「ソーダ」、「ポップ」とか呼ばれます。ちなみに高校のアイオワではポップ、大学のジョージアではコークでした。




3 日本の歴史情報は役に立つ

日本について、かなり質問責めにあいます。日本人と接点のない地域(つまり田舎)であればあるほど、その傾向は強くなります。
なので、しっかり日本史の知識も仕入れておきましょう。ただ、日本史といっても、別に江戸時代とかにさかのぼる必要はなく、第二次世界大戦あたり中心でOK(ベタですが真珠湾攻撃と原爆です)。

私は日本史が苦手だったので、かなり適当に答えてしまいました。今考えても冷や汗がでます。




<番外編1> 格闘技をたしなむ

留学前に空手道場に通うわけにもいきませんので、まあ、これはあったらいいね、レベルです。もし何らかの武術(空手、柔道、剣道、合気道なんでも可)を少しでもかじっていれば、恥ずかしがらずに技を披露しましょう。意外と喜ばれます。黒帯など持っていようものなら、尊敬のまなざしを受けることができるでしょう。

しかも、「あいつはケンカが強いから、からかうのはほどほどにしよう」と思われ、男性陣からも一目置かれるというプラスアルファ効果もあったりします。

ちなみに私の弟もアメリカ留学していたのですが、剣道の有段者だったということもあり、技を見せるだけの目的で木刀を持参していきました。私は格闘技とは無縁だったので、この点はうらやましかったです。





<番外編2> 電子辞書は不要だった

高い金を出して買いましたが、現地ではほぼ役に立ちませんでした。リアルタイムに会話が進んでいく中では、いちいちキーボードを叩く時間はないです。授業中でも使いこなせません。自習で使うにしても、紙の辞書の方が早いし、場所を選びません。今ならもっと高機能で使いやすい機種が出回っているとは思いますが、当時はすぐに使わなくなりました。

※地下の寮に住んでいたときの大雨で雨水が20cm(!)ほど浸水し、床においてあった電子辞書が壊れてしまったのですが、まあ使わなかったからいいやとあっさり捨てました。


つづく



代表 中山順司
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