サタデー・ナイト・ライブと逆サザエさん症候群
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TOEFLのスコアをパスして、晴れて大学入学したものの、最初の1年間は、やはりまだ英語で苦労することが多々ありました。
高校と大学の差といってしまえばそれまでですが、テキストに登場する単語、要求される読書量、交わされる議論のスピードと深さは、格段にアップしました。
高校卒業時の、「よっしゃ、これで大学もイケルで!」という自信は過信であったと、大学入学後に痛感させられたものです。
そんな状況も、2年生になったあたりから、英語にまったく苦労することがなくなってきました。何事も「慣れ」ですね(笑)。
ボケっとしながらでも授業内容は完全に理解でき、ネイティブよりも早く小論文を書きあげることができるようになり、寝言で英語をしゃべるようにもなりました(ルームメイトが指摘してくれた)。
自分でも、「もう、英語で困ることは、ほぼないのかな?」と感じつつあった時期なんですが、まだ100%の自信が持てずにいました。
それが確信に変わったのが、2年生になって間もない、9月の土曜の晩でした。
大学では、部屋に自由にTVが置けますし、好きに使えます。
が、私と私のルームメイトは、もれなくお金がなかったので買うことはせず、隣の部屋の友人の部屋で見せてもらっていました。
寮の仲間全員が楽しみにしていたのが、土曜の晩の23時開始の「サタデー・ナイト・ライブ」です。勉強はそれまでにすませ、番組開始前に仲間とポテチや余ったピザを持ちよって、TVのある部屋にゾロゾロあつまります。
床にねそべって、ジャンクフードを飲み食いしながら番組を見てバカ笑いするのが、毎週の恒例行事になっていました。たったこれだけの、他愛のない息抜きですが、本当に楽しかった。
ちなみに、サタデー・ナイト・ライブとは、音楽あり、コメディあり、ユーモア溢れるトークありの大人が楽しめる超人気バラエティ番組です。
今年の6月から、日本版(サタデー・ナイト・ライブ JPN)も開始され、第1回目ゲストにナイナイの岡村隆史が呼ばれていましたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。私は、「うわー、久しぶりだなー」と、懐かしい思いで視聴していました。たぶん、これからも見続けると思います。
この番組が、(ネイティブらと同じ感覚とタイミングで)なんの苦もなく楽しめると感じたある瞬間、「あー、たぶんこれで自分の英語に自信をもって大丈夫」と確信できました。
この自信を与えてくれたのが、「難解な大学の授業に着いていけたとき」でもなければ、「専門的な論文を理解できたとき」でもなく、サタデー・ナイト・ライブをリラックスして楽しめるようになったこと、というのがなんだか妙で、笑えます。
なぜこう思えたのか、自分でもよくわからないのですが、思うに、サタデー・ナイト・ライブを楽しむには純粋な英語力もさることながら、アメリカンのユーモアセンス(笑いのツボってやつです)やジョークの言い回し、風俗や文化、習慣、といったあらゆるものに精通している必要があるから・・・なんだと思います。
「Live from New York, it's Saturday Night!」という雄たけびで番組が始まりまして、その雄たけびを聞くと、たまらない幸福感に包まれていました。(明日は日曜だし、もう勉強しなくていいぞ。今から番組終了までは、思う存分食って笑うぞーという幸福感です)
いわゆる、「サザエさん症候群※」とは正反対の症状ですね。
※日曜日の夕方から深夜、特に18時30分からフジテレビ系列で放送される『サザエさん』を見た後、翌日からまた通学・仕事をしなければならないという現実に直面して憂鬱になり、体調不良や倦怠感を訴える症状の俗称。(ウィキペディアより抜粋)
本当の意味で英語の苦労がなくなったのは、サタデー・ナイト・ライブが楽しめるようになってからでした。
そういった意味で、今でも思い出深い、大好きな番組のひとつです。
つづく
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