カフェテリアで、謎の老婆に遭遇する
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翌朝、促されるままカフェテリアに行くと、校内の寮生全員が集まっていました。これから全員そろっての朝食です。ただ、バスケチームの遠征メンバーがいないためか、空席が目立ちました。
フロアには、6名が座れる丸テーブルが12~13ほど並べられていました。
私のテーブルには、鋭い眼光をした背の低いエチオピア人高校生、メキシカン風と韓国風の小学5年生くらいの男の子が2人、そしてなぜか70歳ほどの白髪のお婆さん、が向き合って座っていました。
「・・なんでお婆さんがいるんだろう。生徒ってことは・・ないよな」
と疑問に思いました。それによく考えると、人種も年代もバラバラの異様な食卓です。
食事の準備は当番制らしく、エプロンをした生徒らがテーブルにパンを配ったり、食器を並べてくれました。たしかメニューは2種類の食パン、バターとジャム類、コーンフレーク、オートミール、あと牛乳だったような気がします。そして、短いお祈りの後、食事が始まります。
※ここはクリスチャンスクールなのです。
そういえば、これがアメリカにやってきて初めての食事になります。前日はまともな夕飯をとっていなかったため、相当空腹でした。さっそくパンをひと口かじりました。
「味がしない・・・」
おいしくないです・・。しかもパサパサで咀嚼しにくく、なかなか喉を通りません。牛乳で無理矢理流し込み、気を取り直してコーンフレークにむかいます。
じつは私の家庭では、コーンフレークは貴重なデザートという位置づけでした。母がたまに買ってきてくれると、一箱を兄弟で奪い合うようにして食べたものです。恥ずかしい話ですが、幼い頃の夢は、「死ぬほどコーンフレークを食べる」でした。
そんな夢のデザート(?)が、洗面器のオバケのような容器に山のように盛られています。これがなんと食べ放題。やった、永年の夢が叶ったと胸を躍らせながらスプーンを口に運びました。
「まずっ」
第一印象は、「なんじゃこりゃ?」です。
パリパリ感はあります。しかし、噛んでも飲み込んでも味がしません。固い紙でできているのか?と疑うくらいのまずさにビックリしました。
辺りを見回すと、みんな砂糖をまぶしています。なるほど、味がしないから砂糖で甘くしているのかと私もマネをしましたが、ただ甘くなっただけでまずいことに変わりはありませんでした。
でも、郷に入れば郷に従えですし、贅沢は言ってられません。それにお腹は減っていたので、まあ黙々と食べていました。
すると、それまで黙って食事をしていた隣の白髪のお婆さんが、私に向かっておもむろに話しかけてきました。
つづく
フロアには、6名が座れる丸テーブルが12~13ほど並べられていました。
私のテーブルには、鋭い眼光をした背の低いエチオピア人高校生、メキシカン風と韓国風の小学5年生くらいの男の子が2人、そしてなぜか70歳ほどの白髪のお婆さん、が向き合って座っていました。
「・・なんでお婆さんがいるんだろう。生徒ってことは・・ないよな」
と疑問に思いました。それによく考えると、人種も年代もバラバラの異様な食卓です。
食事の準備は当番制らしく、エプロンをした生徒らがテーブルにパンを配ったり、食器を並べてくれました。たしかメニューは2種類の食パン、バターとジャム類、コーンフレーク、オートミール、あと牛乳だったような気がします。そして、短いお祈りの後、食事が始まります。
※ここはクリスチャンスクールなのです。
そういえば、これがアメリカにやってきて初めての食事になります。前日はまともな夕飯をとっていなかったため、相当空腹でした。さっそくパンをひと口かじりました。
「味がしない・・・」
おいしくないです・・。しかもパサパサで咀嚼しにくく、なかなか喉を通りません。牛乳で無理矢理流し込み、気を取り直してコーンフレークにむかいます。
じつは私の家庭では、コーンフレークは貴重なデザートという位置づけでした。母がたまに買ってきてくれると、一箱を兄弟で奪い合うようにして食べたものです。恥ずかしい話ですが、幼い頃の夢は、「死ぬほどコーンフレークを食べる」でした。
そんな夢のデザート(?)が、洗面器のオバケのような容器に山のように盛られています。これがなんと食べ放題。やった、永年の夢が叶ったと胸を躍らせながらスプーンを口に運びました。
「まずっ」
第一印象は、「なんじゃこりゃ?」です。
パリパリ感はあります。しかし、噛んでも飲み込んでも味がしません。固い紙でできているのか?と疑うくらいのまずさにビックリしました。
辺りを見回すと、みんな砂糖をまぶしています。なるほど、味がしないから砂糖で甘くしているのかと私もマネをしましたが、ただ甘くなっただけでまずいことに変わりはありませんでした。
でも、郷に入れば郷に従えですし、贅沢は言ってられません。それにお腹は減っていたので、まあ黙々と食べていました。
すると、それまで黙って食事をしていた隣の白髪のお婆さんが、私に向かっておもむろに話しかけてきました。
つづく
代表 中山順司
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