【図解】コレ1枚でわかる量子テクノロジー:量子コンピュータの種類
現在、世界中で開発が進められている量子コンピュータは、計算の仕組みや得意とする領域によって、大きく「量子アニーリング方式」と「量子ゲート方式」の2つに分類されます。
1つ目の「量子アニーリング方式」は、特定の用途に特化した専用マシンです。得意とするのは「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる分野です。例えば「複数の都市を最も短い移動距離で回るルートはどれか」や「工場で最も効率よく製品を組み立てるスケジュールはどれか」といった、膨大な選択肢の中から一番良い答え(最適解)を見つけ出す問題です。自然界が最もエネルギーの低い安定した状態(一番深い谷底)に向かおうとする物理法則を応用して答えを導き出します。この方式は比較的ノイズに強いため開発が先行しており、すでに物流の最適化など一部のビジネス現場で実用化が始まっています。
2つ目の「量子ゲート方式」は、古典コンピュータと同じようにプログラム次第であらゆる計算が可能な「汎用型」のマシンです。Shorのアルゴリズムなど、量子コンピュータの真の威力を発揮できるのはこの方式ですが、実現へのハードルは極めて高いのが現状です。
量子ゲート方式は現在、その発展段階として「NISQ(ニスク:Noisy Intermediate-Scale Quantum computer=ノイズあり中規模量子デバイス)」と呼ばれる過渡期にあります。NISQは数十から数百程度の量子ビットを持ちますが、計算途中でエラー(ノイズ)が発生しやすく、それを自力で修正する機能を持っていません。そのため、複雑な長時間の計算を実行できず、用途が限定的です。
世界中の研究機関や巨大IT企業が、最終的なゴールとして開発競争を繰り広げているのは、NISQの先にある「FTQC(誤り耐性量子コンピュータ)」です。FTQCは、計算中に発生するエラーを自ら修正しながら、大規模で複雑な計算を最後まで正確に実行できる究極の量子コンピュータです。このFTQCが実現して初めて、量子テクノロジーは真のパラダイムシフトを起こすと言われています。
変革の「地図」を手に入れるために
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