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バレンタイン・デーのチョコレートと「コレ1枚」シリーズのチャートの関係について

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「アイデアは先ずホワイトボードに書き出して整理することにしています。」

そんな友人は、職場で4枚のホワイトボードに囲まれているそうです。

モバイル・アプリの開発者もまた、まずは手描きでサイトのデザインや流れを作っている人が多いと聞かされました。私も仕事のアイデアをまとめたり、プレゼンテーションをまとめたりするのに、まずは手描きで描くことにしています。

  • 思いついたことをサッと描ける。
  • すぐに書き直しできて試行錯誤がやりやすい。
  • ツールの操作や機能の制約がなく思いのままに表現できる。

アイデアをまとめる、アプリを開発する、プレゼンテーションを作るなど、クリエイティブな仕事の原点は、「発想」にあります。その発想を育て、形にするプロセスは、自由であることが大切です。ツールの操作方法や表現力の制約を気にしていては、自由はありません。

声に出して話すこともひとつの方法ですが、それではカタチを残すことができません。そうなると、「手描きで描いてみる」ことがぎりぎりの選択と言えるでしょう。

私が「コレ1枚」を描くときも同じです。まずは、人に見せるためではなく、自分の頭の中にあることを描いてみます。大概の場合、最初の1枚は酷く乱雑で、描いている当事者にも判読不可能な場合があります。それでも諦めずに何枚も試行錯誤しながら描き直しているうちに「そうだ、これだよ!」と大発見するわけです。

自分の思いつきばかりではなく、誰かの話を聞きながら、あるいは、本や資料を読んで、自分なりに咀嚼し、その解釈を描き出したりもします。「ビジュアルにメモをとる」と言えば分かりやすいでしょうか。単語を並べて矢印でつなげる、内容を4象限に整理してみる、議論の内容を表にまとめてみるなど、とにかく構造や関係を整理しようと心がけています。これはなかなかキーボードではできません。

あるテーマで「コレ1枚」をまとめようと手描きで描いていると、何度描いても納得のゆく絵が描けないことがあります。自分が納得できずうまく説明できないことなど、他人に説明できるはずはありません。そんなときは悔しくて仕方がありません。自分の曖昧と無知にうんざりします。だから、改めて資料を調べ「自分で納得できる」×「他人が理解できる」のかけ算が成り立つまで、何度も描き直すようにしています。そうやって描いた「渾身の手描き」をもとにパワーポイントでチャートを作ります。「コレ1枚」のチャートは、そうやって作っています。

IMG_4382.JPG

この「渾身の手描き」は3枚目、それをパワーポイントに描き映すと次のようになります。

スクリーンショット 2017-02-14 6.51.50.png

パワーポイントでの作業は、それほど時間はかかりません。これは手間ひまかけて手作りした本命のバレンタイン・デーのチョコレートを包む「包装とリボン」みたいなもので、そこが本質ではないので、できるだけサッと終わりにしたいところです。

もちろん「包装とリボン」の見た目は大切で、その人のセンスが問われるところです。ここが貧相だと、もらった方も嬉しくないでしょうし、なんだか「汚い」あるいは「気持ち悪い」わけで、想いを伝える前にアウトになってしまいます。ですから、まずはそこをセーフにしなければならなりません。そこを効率よくこなすためには、「定番のスタイル」を身につけておくことが大切です。それについては、いずれ紹介させていだきます。

しかし、一番大切なのは「チョコレート」そのものです。そこをしっかりと作っておかなければ意味はありません。つまり「手描き」とはチョコレートを作る作業というわけです。

そうやって描いたチャートに今度は言葉、つまり解説文を付けるようにしています。いくら美味しいチョコレートを作り、きれいな包装とリボンで渡しても、結局最後は言葉で伝えなくてはなりません。しかも相手に伝わる言葉でなくてはなりません。それが解説文です。そのためにはメモや箇条書きではなく、文章にすることを私はこだわっています。つまり「てにをは」を意識することで、「論理構造」が見えてきます。また、自分を聞く側の他人に置き換えて、相手に伝わるかどうかを検証できるからです。

「相手に伝わるチャートや文章を作る」

「コレ1枚」のゴールはそこにあります。それが私なりの勉強のスタイルであり思考方法で、「アウトプット思考」と名付けています。

まあ、そんなやり方もあるんだなぁということで・・・。

最新版(2月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

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*ビジネス戦略のチャートと解説を充実させました。
*人工知能の動画事例を追加しました。
*大手IT企業の現場改善大会での講演資料を掲載しました。
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ビジネス戦略編 106ページ
新規チャートの追加と解説の追加
【新規】ビジネス・プロセスのデジタル化による変化 p.6
【新規】ビジネスのデジタル化 p.17
【新規】ビジネス価値と文化の違い(+解説) p.19
【新規】モード1とモード2の特性(+解説) p.21
【新規】モード1とモード2を取り持つガーディアン(+解説) p.22

人工知能編 98ページ
【新規】Amazon Alexa (+解説) p.18
【新規】動画での事例紹介 Amazon Go p.94
【新規】動画での事例紹介 Amazon Echo p.95
【新規】動画での事例紹介 Tesla p.96
【新規】動画での事例紹介 Nextage p.97

IoT編 93ページ
LPWAについての記載を追加、また日米独の産業システムへの取り組みについて追加しました。
【新規】LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの位置付け p.47
【新規】ドイツでインダストリー4.0の取り組みが始まった背景 p.82
【新規】アメリカとドイツの取り組みの違い p.88
【新規】インダストリー・インターネットのモデルベース開発 p.90
【新規】日本産業システムが抱える課題 p.91

インフラ編 294ページ
【新規】Googleのクラウド・セキュリティ対策 p.72

基礎編 50ページ
変更はありません。

開発と運用編 66ページ
全体の構成を見直し、チャートや解説を追加しました。
【新規】自律型の組織で変化への柔軟性を担保する p.20
【新規】超高速開発ツール(+解説) p.37
【改定】FaaS(Function as a Service)に解説を追加しました p.39

トレンド編 
変更はありません。

トピックス編 
変更はありません。

【講演資料】変化を味方につけるこれからの現場力
大手IT企業の改革・改善活動についての全社発表会に於いての講演資料。
・実施日: 2017年1月25日
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