「自分力」を伸ばすための取り組み:ITソリューション塾をなぜはじめたのか
「お客様の良き相談相手となることです。」
営業研修で自分が理想とする営業とは何かを質問するとこのような答えをされる方は少なくありません。
「では、どうすれば良き相談相手になれるでしょうか?」
- 誠実に対応すること
- お客様の期待に応えること
- 何事においても迅速に応対すること
確かに、どれも大切なことだと思います。しかし、「相談相手」になるとは、その程度のことでなれるのでしょうか。お客様は「自分以上」をあなたに期待しています。それに応えることではないかと思うのです。
- 自分の知らないことを教えてくれる
- 自分の気付かないことを気付かせてくれる
- 自分とは違う解釈を教えてくれる
このような自分には「できなこと」を提供してくれるからこそ、相談相手になれるのです。さらに相手の気持ちを先読みして、「こういうことではないですか?」と切り出され、「まさにその通りですよ」と相手に言わせることができたら、きって相手は貴方に相談したいと思うでしょう。
長年、営業人材の育成に関わり、お客様の意志決定プロセスにうまく関わって行くための「営業活動プロセス」や魅力的なドキュメンテーションやプレゼンテーション、会話術などの「顧客応対スキル」を教えてきました。そんな仕事をしながら、多くの営業が「ITを知らない」という事実に気付くようになりました。「自分の商材は説明できても、世の中の動向をしらず、客観的な視点で自社の商材の位置づけや弱点、顧客価値を説明できない」といったほうが現実に即しているかもしれません。
例えば、いまから7年前の2009年、「クラウド・コンピューティング」という言葉が世間を賑わすようになった頃です。NISTが「クラウドの定義」をリリースしたのもこの年です。しかし、「クラウド・コンピューティングとホスティング・サービスやASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)との違いは?」、「仮想化の違いは?」、「データセンター・サービスとの違いや関係は?」といったことが、説明できない営業が少なからずいたのです。
もちろんクラウド黎明期の時代、まだ自分たちとのビジネスにどんな影響があるかも分からない事態ですから、知らなくても「仕方がない」と言うこともできます。しかし、たとえそうであっても、新しい世の中の動きをお客様は知りたいわけで、それについて「何も知らない」では、お客様も相談しようがありませんし、またそういうことについて話ができるからこそ、ビジネスにつながる話しも生まれてくるのです。
もちろん、そのころは、「クラウドの定義」に十分なコンセンサスがあったわけではなく、様々な解釈があったことも事実ですから、その説明も容易なことではなかったかもしれません。しかし、ITに関わる仕事でお金をもらっている営業が、自分なりの解釈であっても、お客様に説明できないというのはなんとも情けない話しです。いまに置き換えれば、人工知能やIoTについて何も知らず、その展望をも語れないということと同じ話です。そんな現実を目の当たりにして、これは何とかしなければと思うようになりました。
また当時、「ソリューション」という言葉もまだまだ正しく理解されていなかったように思います。本来は「お客様の課題を解決すること、あるいはその解決策」であるはずですが、「プロダクトよりかっこいい表現」程度にしか意識されず、「我が社のソリューションは・・・」といいながら、自社プロダクトの説明を蕩々と語り出すといった現実も目の当たりにしてきました。
お客様の課題を見ようとはせず、解決策も示すことなく自分の商材の機能や性能の自慢話をするだけのことしかできない。自分の扱ってる商材の世の中での位置付けを理解し、お客様の課題解決にどのように役立つのかを語れない。こんな営業が「相談相手」になることなど到底無理な話です。
「ITソリューション塾」が、こんな問題意識から始ったのは2009年のことです。次回、第23期を迎えるこの塾の過去7年間を振り返ると、参加する全ての方が満足されていた訳ではありません。
「自分にとっては知っている話しが多く新鮮みがなかった」
「説明が難しくて分からないこともあった」
いろいろな方が参加されます。なかなか全ての皆さんにご満足を与えられないことも事実です。このような意見にも応えようと、講義の内容も毎回工夫しています。また、「自分の知らないこと」をリアルに実感して他人事ではなく自分事の講義にしてもらうための事前課題の提供、自由参加ではありますが他社の人たちや講師と意見を交わし合う懇親会を毎講義後に開催するなど工夫しています。
「塾」とは、本来「学者や知識人が自分の自宅で個人的に教えたもので、既に日本では平安時代から大学寮などで教える学者が自宅で別途弟子を採ったもの」だそうです。私的な、そして自主性を尊ぶ取り組みだったようです。ITソリューション塾も、そんな精神を持ち込みたいと思っています。誰かにやらされる勉強ではなく、自分のために「自分力」を伸ばしてもらう主体的な取り組みとして、塾という場を利用する。そんな人たちの期待に応えられるように、続けて行ければと願っています。
【募集開始】ITソリューション塾・第23期
10月5日(水)より、次期「ITソリューション塾・第23期」が開講します。
「知ってるつもりの知識から実戦で使える知識へ」
をモットーに、テクノロジーやビジネスのトレンド、さらにはこれからのビジネス戦略に踏み込んで考えてゆこうと思います。
基本の講義以外にも特別な講義を用意しています。
【特別講師】
情報セキュリティとDevOpsについては、その分野の実践者を講師に迎え「実践ノウハウ」を伺います。
【特別補講】
参加された皆様のご要望にお応えするかたちで行う特別補講では、特にホットなテーマに関わる当事者をお招きし貴重なお話を伺います。これまでは、「クラウド4社・エバンジェリストによる各社の戦略紹介」、「IoT時代のセキュリティ対策」、「最新・SAPまるわかり」などをテーマに取り上げ、オープンな講演では先ず訊くことのできない生々しいお話を聞く機会を設けるなど、「実践」につながる講義を行いました。
【その他】
「実践でそのまま使えるロイヤリティ・フリーのプレゼン500枚」の提供も皆さんの実践をサポートするための一環です。
直近の参加実績は、以下の通りです。
- 第20期 88名
- 第21期 81名
- 第22期 84名
【事前連絡のお願い】
募集開始後、比較的早い段階で定員に達することが予想されます。まだ正式に決定できない場合は、まずはメールで構いませんの参加のご意向をお知らせください。参加枠を確保させて頂きます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
ITソリューション塾・福岡を開催します
既に東京・大阪で多くの皆さんにご参加頂いております「ITソリューション塾」をいよいよ福岡で開催させて頂くこととなりました。
「知っているつもりの知識から、実戦で使える知識へ」
ITビジネスに関わる皆さんや情報システム部門の皆さんが、知っておくべき「ITのいまと未来の常識」をできるだけわかりやすく体系的にお伝え仕様という取り組みで。詳しい資料はこちらからダウンロード頂けます。是非、ご検討下さい。
【最新版】最新のITトレンドとビジネス戦略【2016年8月版】
*** 全て無償にて閲覧頂けます ***
最新版【2016年8月】をリリースいたしました。
【インフラ&プラットフォーム編】(295ページ)
フラッシュストレージの記述を新たに追加いたしました。
【新規】ストレージアレイの違い p.275
【新規】フラッシュストレージが注目される理由 p.277
【アプリケーション&サービス編】(250ページ)
解説(文章)付きスライドを増やしています。また、全体のストーリーを一部見直し、内容の古いチャートは削除しました。
【新規】なぜ今人工知能なのか p.147
【新規】人工知能と機械学習 p.148
【新規】人工知能と機械学習/全体の位置付け p.149
【新規】技術的失業と労働人口の移動 p.180
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.220
【更新】DevOpsの目的 p.223
【新規】不確実性のコーン p.227
【新規】システム開発の理想と現実 p.228
【新規】ARとVRの違い p.248
【ビジネス戦略編】(92ページ)
記載内容が古いチャートを削除し、解説文付きのチャートを増やしました。
【新規】UberとTaxi p.4
【更新】ハブ型社会からメッシュ型社会へ p.5
【更新】これからのITビジネスの方程式 p.57
【補足】解説文を追加したチャートを増やしました。
新入社員研修教材「最新のITトレンド」 (119ページ)
【更新】原本の改訂に合わせ、内容を刷新いたしました。
閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は会員登録(500円/
http://libra.netcommerce.co.
まずは、どのような内容かご覧頂ければ幸いです。
「ポストSIビジネスのシナリオをどう描けば良いのか」
これまでと同じやり方では、収益を維持・拡大することは難しくなるでしょう。しかし、工夫次第では、SIを魅力的なビジネスに再生させることができます。
その戦略とシナリオを一冊の本にまとめました。
「システムインテグレーション再生の戦略」
- 歴史的事実や数字的裏付けに基づき現状を整理し、その具体的な対策を示すこと。
- 身の丈に合った事例を紹介し、具体的なビジネスのイメージを描きやすくすること。
- 新規事業を立ち上げるための課題や成功させるための実践的なノウハウを解説すること。
また、本書に掲載している全60枚の図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。経営会議や企画書の資料として、ご使用下さい。
こんな方に読んでいただきたい内容です。
SIビジネスに関わる方々で、
- 経営者や管理者、事業責任者
- 新規事業開発の責任者や担当者
- お客様に新たな提案を仕掛けようとしている営業
- 人材育成の責任者や担当者
- 新しいビジネスのマーケティングやプロモーション関係者
- プロジェクトのリーダーやマネージャー