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人工知能がもたらす、コミュニケーションの価格破壊 〜人と接するにも資格が必要な時代の到来〜

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ここのところBotが話題をかっさらっているようですね。

普段、家から出ずにチャットでのコミュニケーションが中心な僕にBot疑惑が出ないか不安でいっぱいです。

まあ、自分のボットをAIで作ってしまおうかという計画は立てているんですけどね。

しかしまあ、ここのところのBotと人工知能の進化は凄まじい物がありますね。

技術的な面で言えば、数年前からある程度確立されていました。

でも、今年に入ってからというもの、AIやBotを運用する環境が整ってきて、使うためのコストがうんと下がっています。

LINEBot を皮切りに、FacebookのメッセンジャーAPIの公開、wit.aiのローンチなど、高度なテクノロジーを使うコストはだいぶ下がりました。

ただ、これから始まる大レースはそんなレベルのものではない、と僕は思っています。

コミュニケーションコスト0の世界

人工知能を使うためのコストが下がった先に起こることは何か。

それは、顧客からの問い合わせに、人間らしい回答で自動返信をできること。コミュニケーションコストが大幅に減るということです。

それは、コミュニケーションコストの削減。下手をすると0になるかもしれません。

それによって、インターネット上でも実社会でも軽度のコミュニケーションはロボットに置き換わることになります。

今でもPepperが一部その役割を果たしていますよね。

コンピュータにも人間らしさを求められ、実装される現代

今までも、顧客からの問い合わせに対して自動返信をする仕組はありました。

でもそれは、問い合わせを受け取ったことを知らせるだけの無機質なものでした。

それも、人工知能の発達によって、送られた文章に合わせた内容の返事を出せるようになります。

すでにマイクロソフトが、りんなという女子高生AIを実現していますし。

先日はLINEがボットAPIを公開したり、FacebookがメッセンジャーAPIと機械学習のプラットフォームを公開したことが話題になりました。

LINE Developers - BOT API - Overview

Messenger | 概要 - 開発者向けFacebook

Wit AI

企業でも個人でも、人工知能を使ったボットの導入はそれほどコストがかからないものになっています。

人間と話せるのは選ばれた人間だけになる

ボットが知能をもち、導入のコストが下がることで、コミュニケーションのコストが下がる。

こうなると、電話や対面で人同士が話すことのコストが相対的に大きくなります。

簡単な会話であればボットがこなしてしまうし、ボットなら不眠不休で対応できる。

ちゃんと話を聞いたうえで回答してくれるし、時間を経るごとに答えも的確になっていきます。

となると、人と会うには、会うだけの利点が今まで以上に求められることになりそうです。

自分の話しかしない人、情報や人脈を求めるだけの人は人間には相手にされず、ボットが対応することになるでしょうね。僕ならそうします。

逆にコストを払ってでも会ってくれるという関係を作れる人が豊かになっていくという気がします。

そのためには「貢献」できる人間にならなければいけません。

顧客の立場であれば高いお金を払うか、サービスを提供することで提供者に価値をもたらす人。

サービス提供者であれば、本当に価値のある物を提供する人。顧客を大事にする人。

こういった人でないと人間が相手をしてくれなくなるんじゃないかと思っています。

お客さんが「ボットにチェンジして」とか言う時代が来るんじゃないかと想像すると、心がほっこりしますね。

自分自身がどんな価値を提供しているのか、ボットに負けない価値を持っているのか。

今のうちに考えて置いたほうが良さそうです。

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