人は行動パターンを維持する方向に行くことを実感した話
東北からこんにちは。
毎年恒例の帰省です、涼しいです。
今日は妻の親戚の家の片付けと、お盆の飾り付けを手伝ってきました。老人の一人暮らしで掃除も大変そうです。
普段身につけるものも、何年も同じものを使っていて、新しいものを差し入れても替えないらしいんですね。
で、どうするかということで出た義弟の話が興味深かったです。
人は歳をとると行動パターンを固定する
まず、なぜ新しいものを差し入れても替えないのか。買いに行かないというならまだしも、新しいものが手元にあるのに替えない。
どうやら、人間歳をとると行動パターンが極度に固定されるようです。
いつも干しているところにある着替えを取る、着る、汚れたら洗濯する、いつもの場所に干す、乾いたら着る。
この行動経路にないものには目も向けない様子。
そこで出た解決策は、「干してある奮い服を新しいものに差し替えて帰る」ということ。
箱のままわたしても箱を開けることすらしないので、こうするしか無いだろう、と。
確かに、こうすることで、ものは新しくなるけど行動は一切替わらないということになります。
この考え、サービスを提供するという観点からもとても考えさせられます。
導線設計で呼び込めるのは変化を受け入れられる層のみなのか
マーケティングとか集客の話を聞いていると、導線設計の重要性というのはよく聞きます。
ターゲットとなる見込み客の行動を予測して、導線を作るということが重要だと。
ただ、今回のような話を見ると、導線を作ったとしても、その導線がいつもの行動と違っているとその線に乗ってこない可能性があるんですね。
特に、今後ますます高齢化が進む日本において、このことはとても重要なのではないかという気がします。
見込み客の行動上にきっかけからゴールまでを置くのが理想?
上記のことを踏まえると、集客導線の入り口だけを見込み客の行動経路に置くだけでは不十分で、導線の出口ギリギリまで既存の行動に合わせる、もしくは気づかれないほど近似的な経路を作るという話になります。
そうなると、ターゲット層の行動を抽象化して汎用的な集客導線を作って成果を出すことが難しくなるんじゃないかなという気がします。
一人ひとりに見込み客に合わせてカスタマイズされた導線を作る。このコストをどうやってひねり出すのでしょう。
顧客のためにサービスをカスタマイズするならば、収益を得ている状態での作業なので、収益維持としてのコストとして考えれば許容できます。
でも、見込み客のためにカスタマイズするとなると、顧客獲得単価が極端に上がるように思います。
ただ、同じような層の人々の行動がよく似たものなのであれば、ターゲットとする層を今まで以上に絞り込んで、狭いターゲット層を幾つか想定して、最小限の導線パターンで獲得を狙うということはできるかもしれません。
導線の出口から収益までの設計も変わってくる?
上記のように、顧客獲得の導線全体を見込み客に寄せるとなると、こちらが収益を出しやすいモデルに持ってくるまでが手間になります。
もしくは、サービス自体もターゲットを今まで以上に絞って、パターン数を増やすのがいいんでしょうか。
悩ましいところです。
見込み客の行動を変えずにサービスを提供するって...
こうして書いてきてもまだぼくの中には結論が出ません。
もしかしたら、こんな心配は杞憂にすぎないのかもしれません。
ただ、行動を変えられないっていうのは高齢になると強まる傾向があるというだけで、すべての人にもそういった行動障壁というのはあります。程度の差はあれど。
これだけ書いて結論らしい結論は出ませんでしたが、今後仕事をしていく上で、大事なことを考えさせられる出来事でした。