模倣ではない、技術を「盗む」とはどういうこと? -> 抽象化とPDCAで自分のものにする
今朝、ビジネススキルが主夫業におおいに役立つことを知り、テンション上がってます。松井です。
以前、どこかで、ジョブズのこんな言葉が話題になりました。
「優れた芸術家は真似る、偉大な芸術家は盗む」
これ、なんとなーくわかってはいたのですが、この度めでたく言語化できそうなのでここにしたためておきます。
まず、「真似る」から「盗む」へのステップには2つの段階があるということ。
- 抽象化する
- PDCAサイクルをまわす
抽象化というのは、ある特定の具体的事象から主要素を抜き出す作業です。お刺身にたんぽぽを乗せる仕事の場合はこんな感じ。
作業手順
「3番のトレーからたんぽぽを1つとり、刺し身盛りの右上にあるネタの上に生まれたての天使を壊れないように横たえるがごとくそっと置く」
と言った作業があるとします。途中余分なロマンチックが入りましたが気にしないでください。これを抽象化すると以下のとおり。
抽象的手順
- たんぽぽを取る
- たんぽぽを乗せる対象を見つける
- たんぽぽを乗せる
こんなところでしょうか。
そして、抽象的なもので表せない部分を数値化します。たんぽぽを取り出すトレーの番号、載せるネタの位置、乗せる際の置く強さなど。ここまでやるとPDCAをまわす準備ができました。
上記の抽象化された内容をもとにPDCAを回していきます。数値化された部分の最適化、手順自体の改善です。
で、うまい人のやり方を真似るというのは、手順も数値も同じようにやること。盗むというのはPDCAの中で改善したり、自分にあったパラメータや手順を設定するということです。
あの人の筋力はシュワちゃん並だけど自分は箸も持ち上げられないからこの仕事はやめよう、とかそういうことですかね? 違う気がしますね。
最初からオリジナリティを追求すると全く先が見えないけれども、こうした改善の中でオリジナリティが自然に作り上げられると考えれば躊躇することなく真似できるのではないでしょうか。
オリジナリティって、魅力ある言葉なだけにとりつかれやすいものですが、仕事を迅速に進めるためにはひとまず横に置いておき、デキるひとを真似することから始めませんか?