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クラウドサービスを活用し、災害から企業を守る

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こんにちは。寒いと活動停止状態に入る熊男、松井です。

本エントリーは前回のエントリーの続き。企業の災害対策についてのお話です。

ITmediaをご覧の方々ならばこの手の話はご存知かなとも思いつつ、大事な事なので改めてお話しようと思った次第です。

前回のエントリーでは、災害発生後に事業を再開するために必要なリソースをクラウド化しておきましょうといった話をしました。今回は事業に必要なインフラや資産をどのようにしてクラウドに置き換えるかという話をしたいと思います。

クラウド サービスの活用

もはや細かく語るまでもないほどに広がったクラウドサービス。データどころかアプリケーション、サーバーなど、PCに関する物のほとんどがインターネット上に用意されています。これらのサービスを組み合わせてることで震災などの災害でも、業務を遂行できるだけの資産を確保することができます。

前項で上げた、必要な資産について代替可能なクラウドサービスを見て行きましょう。

PCの代替サービス

残念ながら、さすがにPCを代替することはできません。どのようなサービスを使うにもPCから接続するため、これだけは省略することができないのです。

ただし、災害時の被害を最小限にする方法はいくつかあります。例えばiPhone。地震が起きた時、事務所からPCを持ち出すような余裕はないかもしれません。しかし、iPhoneであれば普段から身につけておくことも出来ます。クラウド サービスを使えば、これまでPCで行なっていた業務をiPhoneで行うことも可能です。画面が小さく、使いづらさはありますが震災時の一時的な方法としては十分ではないでしょうか。

ネットワーク

ネットワークといってもインターネットとローカルネットワークがあります。これらを確保するにはどうしたら良いでしょう。

実はこの問題はとても頭がいたいです。東京直下の震災が起きた場合、インターネットの復旧には相当な期間を要する可能性があります。もしかしたらすんなりと繋がる可能性もあるのですが、どちらにしても確実性のない要素です。

ただし、データや業務に使うアプリをクラウド化しておけば他県に避難して、そこからインターネットを経由して接続するという方法も取れます。もし、業務の長期停止が事業継続にとって致命傷になることが考えられるならば従業員の採用や勤務体系から考えなおす必要があります。

平時から場所を問わずに業務を行える仕組みを作り、事業所の所在地ではない県での採用を積極的に行うというのもひとつの手です。何事も集中させるとその分リスクは高まります。有事に備えるためには人も資産も分散させておくということが有効に作用するでしょう。

サーバーもクラウドに移動する

さて、業務を遂行するための端末、ネットワークを確保できたら次はサーバーです。実は、後述する書類のクラウド化を行うことが出来ればサーバー自体は不要になることも考えられます。しかし、クラウドのデータ保存サービスでは信用しきれないという企業のためにこの点についても触れたいと思います。

サーバーをクラウド化するにあたって利用するサービスというと、さくらインターネットやAmazon EC2といったものが該当します。これらのサービスはディスク スペースやホームページ スペースのレンタルとは根本的に異なっています。本当にサーバーをまるごと借りることができるのです。

これらのサービスでWindowsサーバーをクラウド化すると、サーバーにインストールしたアプリケーションを遠隔操作するといった使い方も可能になります。そうすると、例えば災害時にMicrosoft OfficeのインストールされたPCを調達できないといった場合でも、問題なく作業を行うことができます。ただし、運用管理には通常の業務では使うことのない知識と技術が必要になります。運用を外部に委託するのか、それとも従業員で運用管理を行えるスキルを持っている人間がいるのかなど、慎重に検討する必要があるでしょう。

書類のクラウド化

サーバーをクラウド化するにはある程度の高い技術とコストが必要になります。しかし、クラウド上でサーバーを運用するような技術力を確保できない企業も多いことでしょう。そこでここからは、書類データをクラウド上に保存し、PCから利用するための環境づくりを述べていきます。

現在、書類をクラウド上で保管できるサービスはたくさんあります。以下に一例を記載します。

  • Dropbox/Sugaer Sync
  • Googleドキュメント/Windows Live
  • チャットワーク

これらのサービスは単なるファイル共有サービスではなく、業務を遂行したり、離れた場所にいる人とコミュニケーションを取る手段としても優れた機能を持っています。これらのサービスを活用することで、完璧とは言わないまでもかなり普段の業務に近い環境を確保できるのではないでしょうか。

次回のエントリーでは、これらのサービスの活用方法をお話ししたいと思います。

>> 災害時の事業継続に役立つクラウドサービス

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