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秋の夜長におすすめの本 9冊

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秋です、夜長です。長い夜に松山千春は少し重いなぁ、胃もたれするなぁという方にとっては読書が最適な過ごし方になるでしょう。

毎月の読書予算3万円を稼ぐため、商売にお熱を上げている松井です。

今回は僕が今まで読んだ中でお勧めの本を紹介します。新刊ではないものが多数ですが、いい本はいつ読んでもいいものです。9冊紹介する理由は、たまたま選んだ数が9冊だったから。

まずはこちら。

今となっては知れ渡った湿潤療法をいち早く提唱した夏井医師の著書。創傷治療の常識を覆す治療方法に当初は医学会からの反発も大きかった様子です。

この本では湿潤療法がなぜ正しい治療方法なのかをわかりやすく解説されています。これだけしっかりとしたロジックがあっても避難されるんですね。既成概念を覆す難しさを感じます。

次はこちら。

こちらはかなり刺激的なタイトルですが、中身は非常に整理されていて合点が行きます。

一つ目に紹介した「傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)」と共通しているのはタンパク質の性質を元に論理を組み立てているところ。こちらもこれまで当たり前だと思っていたことを改めて考えさせられる内容となっています。

男性にもおすすめできる本ですね。

3番目。

医薬品クライシス―78兆円市場の激震 (新潮新書)
佐藤 健太郎
新潮社
売り上げランキング: 4819

こちらは医薬品業界の実情を描いた本です。

開発の現場や業界の事情がリアルに描かれていて、見所が多いです。単純に読み物としても面白さがあります。

新薬開発の停滞からベンチャー企業の躍進など、ビジネスの視点で見ても納得が行くのではないでしょうか。

僕が驚いたのは医薬品を開発する際には厳密な設計図があるのではないということ。ほとんど実験だけで詰めていくというのは衝撃でした。

4番目はこちら。

地球環境46億年の大変動史(DOJIN選書 24)
田近 英一
化学同人
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地球です、ロマンです。

地球誕生から現在までの環境の変化が紹介されています。その中には完全に解明されてない仮説なども登場しますが、それが逆に想像力をかきたてます。自分なりの地球ストーリーを想像するという楽しみ方もありでしょう。

現在温暖化に向かっているのは何も人間の排出する二酸化炭素によるものではなく、地球が寒冷期から温暖期を経て氷期に突入する過程にある普遍的な現象であるようです。ただ、綺麗な空気は大事なので排ガス規制なんかは進めて欲しいですけど。

5冊目いってみよう。

イスラムの怒り (集英社新書 493A)
内藤 正典
集英社
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地球から世界へ、ちょっとスケールダウンしました。

アメリカへのテロにより、イスラム文化が世界中に誤解されました。イスラムは危険な思想で、原理主義者は過激なテロリストであるというイメージを持っている人もいるかも知れません。

そんな、アメリカ寄りの情報が駆け巡る中、イスラムを冷静に語る本書はとても貴重なものと思います。イスラム教の思想は実はキリスト教やユダヤ教よりもソフトタッチなんだなぁという発見もありました。

The 6冊目。

わかりやすく〈伝える〉技術 (講談社現代新書)
池上 彰
講談社
売り上げランキング: 2118

ご存知池上先生の著書。

文章の書き方を勉強しようと思うとやや弱いのですが、堅苦しい様式にこだわらず、わかりやすく説明する構成方法を教えてくれます。ブログのようなライトなメディアにはちょうどいいのではないでしょうか。

7冊目に行きましょう。

日本語作文術 (中公新書)
野内 良三
中央公論新社
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池上先生の著書を読んで、文章の書き方をもっとテクニカルなところに踏み込んで学びたいならばこちらもあわせて読むといいでしょう。細かな文法や慣用句の使い方まで踏み込んでいて、すべてを実践するには少し時間がかかるでしょう。

文章を書く人なら手元にリファレンスとして置いておくと役に立つと思います。

ブービー、8冊目です。

こちらは人材育成でバリバリ活躍されている酒井穣氏の著書。

人材育成という観点から思考方法を解説し、どのようにモノにするかといったことを説明しています。

ロジカル シンキング以外にも様々な思考方法が紹介されており、それらを臨機応変に使い続けることで問題解決を促進するでしょう。「考える」を考える。一段深い思考の世界です。

ラスト、9冊目です。

自分のアタマで考えよう
ちきりん
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 13

今回紹介する唯一の新刊。

超人気ブロガー、ちきりんさんの2作目です。

ブログの人気を支える奇抜だけど説得力のある文章は、本書に書かれているような思考方法で編み出されているようです。酒井さんの著書では方法論を多岐にわたり解説しているのですが、こちらはもっと平易な説明になっています。

それだけに、読んですぐに実践できると思いますのでかなりお買い得感はあるでしょう。

酒井さんとちきりんさんの著書は、教育者と実践者という違った立場からの記述になっているので対比しながら読むのも面白いです。

どうでしょうか、興味をそそられる本はありましたか?

これ全部読んだら一週間は過ごせるんじゃないでしょうか。僕はこの秋、モーツァルトを聞きながら新しい本を読んで過ごそうと思います。

お供はそうですね、アッサムの茶葉で入れたロイヤルミルクティーにしましょうか。

そんな生活してぇなぁ。。。。

 

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