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テクノロジーに心も仕事も奪われそうな日々を綴ります。

人に学び、物に学び、そしてコトに学ぶ

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台風はどこに行ったんでしょうか。松井です。

本日はタイトルの通り、学ぶということについて僕の考えを述べていこうと思います。

僕自身、学ぶということについてはまだまだ、それこそ学ぶ余地だらけで、学ぶことを学ぶっていうのはつまり無限ループですかこれ。

このエントリーを書こうと思ったきっかけはこの記事。
404 Blog Not Found:師は詐欺師の師

なるほど、師に教えを仰ぐことを最上とするといづれ人から教えを請い続けることになると、弾小飼は申しておるわけですね。これには僕も納得です。

もう少し言うと、人は師に学ぶだけでなく自分に、自然に、そして目の前の出来事に学ぶことで大きくなるんです。ぜひとも娘にも、わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい。ハーイリハーイリフレハーイリホー。

話がそれました。

というわけで今日のエントリーは学ぶということ、考えるということはどういうことかを綴って行きますが、若造の(といっても三十路)偉ぶった戯言が嫌いな方もいるかも知れません。

そういった方のために前半は与太話を用意してあります。早く本題を読みたい方はここをクリックして後半にジャンプ!

*** 与太話 始まり ***
この物語の登場人物
橋本:30歳のビジネス書オタク、システムエンジニア
上司:40歳の中間管理職、人のダメ出しが得意技
山田:入社2年目の25歳、やっと仕事に慣れてきて勢いに乗っている

ある日のオフィス。

橋本は鼻歌交じりにYoutubeを見ていた。何も遊んでいるわけではなくWindowsの技術デモを見ていたのだった。

その時、客先から帰ってきた山田がおもむろに話しかける。

山田「橋本さん、ちょっと聞いてもいいですか。」

橋本「・・・」
どうやら動画に夢中で聞こえていない。

山田「ちょっと、橋本さん、ヘッドホンをとって話を聞いてください。」

そもそも、その声が聞こえないだろ。と、後ろの気配に気づいた橋本が、振り返る。

橋本「どうした?」

山田「ちょっと、聞いてくださいよ。お客さん先でシステムがトラブっちゃって。」

橋本「ちょっと、よく聞こえない。ヘッドホンとるからもう一回言って。」

山田「いや、それなら最初にとってくださいよ。」

橋本「で、どうした?」

山田「なんか、今朝から業務システムにつながらないって言ってて、ネットワーク調べたらデータベースの応答がなくて。」

橋本「ふんふん。」

山田「で、サービス再起動しても応答がないんですよ。でどうも、コンピュータ名を引っ張ってこれてないみたいなんでどうしようかなと思ってて。」

橋本「ふーん。」

山田「で、話を聞いたら今朝事務所のブレーカーが落ちたらしくて、PCとサーバーは良かったんですけど、HUBの系統が切れてたらしいです。」

橋本「で、今もHUBは死んだまま?」

山田「やっと相槌以外の言葉を発してくれましたね。で、今はHUBは復帰してるんですよ。もしかして名前解決に失敗したキャッシュが残ってるとかあるんですかね。」

橋本「あー、それだったらDNSとかNETBIOSのキャッシュ削除してみれば?」

山田「あれ、それってなんかコマンドでやるんでしたっけ?」

橋本「うん。メールで送るから試してみたら?」

その時、びっくりするほど気配を消していた上司がどこからか話しを聞きつけてふらりと現れた。乱れ髪に手ぐしを入れる気軽さで。

上司「橋本くん、そんなに簡単に答えを教えるなよ。」

橋本「は?なんでです?」

上司「若いやつは何でもすぐ質問すれば解決すると思って。そうやって何でも聞く癖は良くないよ。」

山田「・・・」

橋本「でも、僕が教えたことも誰かから聞いたことですし、いいんじゃないですか?」

上司「ダメだよ、手を動かして調べないとそういうことは覚えられないんだから。」

橋本「手は動かしてないけど、口は動かしてますよ。それに、僕に聞くのとGoogleに聞くのと何が違うんですか。まあ、Googleのほうが100万光年物知りですけど。」

上司「そういう問題じゃないんだよ。人に聞いてばかりってのはモノを考えてない証拠だよ。」

橋本「考えてますよ、山田は。」

上司「は?どこが考えてるっていうの?」

橋本「的確な質問を考えてるじゃないですか。」

上司「質問なんて誰だって考えられるよ。答えを考えるのが大事なんだよ。そんなこともわからないの?」

橋本「あの、例えば自分で答えを考える時だって自分に対して質問を投げかけてますよね。どこがどうなっていて、なぜこんなことが起こるのかを考えてる。」

橋本「結局はその質問がしっかりとしたものでないと自分で考えようが、人に聞こうが答えなんてでてこないですよ。」

上司「・・・」

橋本「質問の仕方が間違ってたら、質問に対して正しい答えが返ってきてもそもそも問題は解決しないじゃないですか。」

上司「ふん、最近の若い奴は屁理屈ばっかりうまくなりやがる。」

橋本「(最近の年寄りは理屈も考えられないのか。)」

*** 与太話 ここまで ***

といったわけでここまでスクロールしてきた方はお疲れ様でした。此処から先は混じりっけなし、純度100%の結論です。

物事に対する答えというのは実はもう大抵用意されています。特に技術情報であればそもそも、作った側が正しい答えを持っていて、多くのものは公開されています。答えというのは動かない、静的な情報なので学ぶものではなく調べるかもしくは記憶するもの。

では、人が学ぶべきは何かといえばそれは[正しい質問を導き出す方法]ではないかと思います。今起こっている問題を分析して、分析したことを言語化する。そうすることで正しい質問を作ることができるのでしょう。

そしてその能力は経験によって磨かれます。これは場数をこなして学んでいくしかないでしょう。学びを得るためには人だけではなく、物や事象、そして自分自身に対して疑問をもつことから始まります。

冒頭に紹介した記事で取り上げられている内田先生の記事で述べられていることは、学ぶために必要なことではなく、答えを出すために必要なこと。しかもその方法のごく一部だけでしかないのです。

「学ぶ」とは正しい質問を導き出す方法を得ること。そして、正しい質問を導き出すためには、自分に起こったことに対して真正面から向き合い、考え続けること以外に方法はないのではないか。それが僕が考える「学ぶ」ということです。

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