日本が抱える人事評価制度の問題点
ネットを徘徊していて面白いものを見つけたのでご紹介。
Togetter - 「AKB48と少女時代の違い、またはJリーグと海外サッカーの違い」
http://togetter.com/li/82694
これはTwitterのある方のツイートをまとめたものです。日本と韓国の間にある、分解に対する解釈の違いを考察しています。
僕もテレビを見て感じていたのですが、韓国のアイドルは相当に完成度が高い。歌もダンスも日本のどのアイドルよりも、あらゆる面で上回っているように思います。
しかし、そこに感情移入できるかといえば、正直全く移入しないどころか興味すらわきません。完成品としてみたときに好みにあっていなければ手に取らない、それだけのことです。
これを企業に当てはめて考えると、年功制と成果主義の関係に似ているように思います。そして、この違いを消化できないことが、日本で成果主義が失敗した理由ではないでしょうか。
成果主義がうまくいかない理由
日本の中小企業の文化はかなりハイコンテクストであるということが、この成果主義がうまくいかない理由ではないでしょうか。
現在、年功序列が制度の上では崩壊したとはいえ、心情として根強く残っているように思います。その証拠に今まで見てきた企業で、若手の管理職がいる企業は皆無でした。
今現在でも、年齢が高く、就業年数が多い社員を優先して管理職に昇格するようです。こうして、無能な部長の下で優秀な若手が苦しむという構図が出来上がるのですね。そして、そのような傾向は大多数の企業で見られるのです。
日本の文化を無視した成果主義の導入
しかし、だからといって年功を無視し、成果主義を導入することが本当に企業の成功に寄与するのでしょうか。これは少し疑問です。
企業の大半を占めるであろう年功序列文化の従業員は納得できないでしょうし、大半が納得できない制度を導入しても崩壊を招くだけ。
海外で成果を出している制度だからといって、無条件で導入すると痛い目をみるでしょう。導入するならば日本の文化に合わせた、つまりハイコンテクストな文化を前提にしてローカライズした成果主義を導入する必要があるのです。
日本型成果主義とは
企業において、評価基準といえば以下の3つです。
・給与
・賞与
・昇進
これらのそれぞれについて別々の評価の仕組みを取り入れると日本でも成果主義がうまくいくかもしれません。
[[給与]]
給与については年功制をとるといいでしょう。給与というのは従業員に対する固定的評価であり、評価基準が具体的でなければ納得するのが難しいものであると考えるからです。
[[賞与]]
こちらは成果主義をとるとよいでしょう。半年ごとの仕事の成果に対しての評価額を後払いするという考え方ですね。
給与に比べて額を昇降しやすいので、成果や勤務態度など数値化しにくい要素への評価を反映させる方法ならば軋轢を生じる危険は少ないかもしれません。
[[昇進]]
最後に昇進について。これは適材適所、各従業員の適性で配置するのが良いのではないでしょうか。
平社員より課長が低給であるという現象を許してでも、不適切な人材配置を避けるべきでしょう。それこそ、不満が蔓延し、組織の調和が取れなくなりそうです。
上記のように、それぞれの評価軸に適切な方法を取り入れることで業務の効率と従業員の心情的な満足を両立することが可能なように思います。
日本の良さを残しつつ
現在、グローバル化が進み、日本にも海外の優れた制度を導入しようという動きが以前にもまして加速しているように見えます。しかし、海外で優れた成果を出した方式が日本ですぐに成果を出すわけではありません。
人や物の背景や経緯に強い共感をもとめ、深いところで繋がるというのは日本の素晴らしい文化であると思います。そういったものを失うことなく、海外のよい部分を取り入れていけたら、日本人なりの幸福を感じながら成長できると感じています。
〜参考文献〜