アプリ開発に詳しい弁護士が語る!アプリの画面デザインは著作権で保護されるのか?
アプリの画面表示をパクられた!そんなとき、どうする?
自社の開発・販売しているスマートフォン用アプリAの画面と競合他社が販売しているアプリBの画面が、そっくり。このような場合に、アプリBの販売を止めるなどの法的措置は取れないのでしょうか。
アプリの画面デザインは、通常オリジナリティがあることが多いので、「著作物」に当たり、著作権法によって保護されます。
よって、Bの画面がAの画面と全く一緒であった場合には、アプリAの開発会社は、著作権法に基づき、アプリBの製造・販売の差止めを求めることができます。
全く同じではないけど、似ているという場合には?
では、アプリAとアプリBの画面が全く一緒ではないが、「似ている」という場合には、どうなるのでしょうか。
これは、アプリAとアプリBの「類似性」が問題になります。
画面デザインの類似性が争われた事例として、グリーとDeNAの「釣りゲー事件」があります。 これは、グリーの「釣りすた」の画面をDeNAの「釣りゲータウン」にパクられたとして、グリーがDeNAを訴えた事件です。
(左:原告グリーの画面,右:被告DeNAの画面)
この事件で、東京地方裁判所は、DeNAの著作権侵害を認めました(平成24年2月23日判決)が、控訴審である知的財産高裁では、著作権侵害を否定する判決が出ています(平成24年8月8日判決)。 このように、裁判所でも、正反対の結論が出ているのです。
アプリの画面デザインの判断は、難しい
上記のように、アプリの画面デザインが似ているかどうかは、微妙な判断が要求されます。
一般的には、アプリの画面デザインの「類似性」については、「著作物の表現上の本質的な部分が利用された場合」で判断されるとしていますが、これには高度な専門性が必要です。
自社の画面デザインと似たような画面デザインを用いるアプリが販売されたという場合には、一度専門家に相談しましょう!