よく分からないけれど、発想した本人よりそれを他者が説明した方が、魅力度が高くなる
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いきなり結論をタイトルに込めましたが、いろんなアイデアワークショップをやっていて、時々見られる不思議な現象です。
よく、多くの人が入り乱れたブレスト(正しくは、5分交代のペアブレスト)をします。その後、自分の出した案でも他の方が出した案でもよいので、印象もっとも残っているものを3つぐらいアイデアスケッチに起こしてみましょう、ということをします。
その後、机にすべてのスケッチを並べ、全員がペンを持って、テーブルをねり歩き、魅力度の高いモノに、めいめいに☆を付けていきます。
☆の集まったものトップ3を、最後に簡単にレビューしてみると、やっぱり☆の多いものは面白く、毎回楽しくアイデアを伺っています。
で、この時に「発想した本人じゃないんですけれど、、、」と遠慮がちに話される方がいらっしゃいます。不思議と、結構、そういうことがあります。後の懇親会などで、トップアイデアの原案となった発想した方が「やー、自分で書いたアイデアスケッチは、トップの半分も☆をとれませんでしたよー。自分のアイデアがトップをとったのでうれしいような、でも、自分が書いたのはそこそこでしかないので寂しいような、複雑な気持ちです。」なんておっしゃったりします。一度二度だけじゃなく、これは実は結構ありことなんです。(※)
これ、理屈をつけるとしたらいろいろな観点から説明が出来そうな気もするんですが、なぜなのか正確なところはよく分かっていません。
この現象を、何度も目にして私が思うのは
「ゼロから新しいアイデアを発想するチカラ、と、そのアイデアを充分に引き出して表現できるチカラ、というのは、また、別なんだろうなぁ」ということ。
ただ、入れ子になっていることもあります。つまり、「Aさんのオリジナルアイデアを、Bさんが書いてトップを取り、BさんのオリジナルアイデアをAさんが書いて2番を取りっている(そして、それぞれ、自分で自分のアイデアを自分で書いたスケッチは、あんまり得票していない)、ということ」が、まま、あります。
なので、もしかしたら、こうなのかもしれない、と思います。
アイデアを魅力的に表現できるのは、発案者よりも、むしろ聞いた相手の方である。
サンプル数が十分ではないので「はい、これ、法則!」などと言い出したりはしませんが、創造という営みの中にときどき観察される特徴ある現象ではあります。つかみどころのない話で文章に起こしにくかったのですが、おもったままに、書き記してみました。
※ ちなみに、アイデアワークショップ中は、発想するアイデアはその場の公共財として出したものは誰が使っても良いという前提のものに行っています
蛇足 ・・・
(書くか迷った蛇足ですが、)アイデア勝負の事業で起業する時は、1人より、2人の方が、いいのかもしれないな、と思います。互いをジャンプ台にして飛び上がった方が、ベンチャーは短期間で高く上がれる気がします。
(でも、もっとえば、3人の方がよりいいようにも思います。ベンチャー企業のCEOをしている友人が、創業時、対等な3人で創業していて、どういう展開や心理状態でいたのかを教えてくれました。それを聞いて、可能なら、2より3が良さそうだと、思ったのでした。以上、蛇足の蛇足でした)
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