長く担当していて定型的なアイデアしか出ない。広い視点で考えるにはどうすればいいか?
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仕事柄、友人から「アイデアに関する困り事」について相談をもらうことがあります。
それの中から、また一つ、紹介します。
Q
長く担当していて、定型的なアイデアしか出ない。広い視点で考えるにはどうすればいいか
A
1つの仕事に長く従事していれば、それは起こります。創造的な人だって、ずっと同じお客さんを担当し、次々新しい提案がし続けられるかと言えば、実際は苦しいです。(建前としては、市場や事業環境の変化があるから、新しい提案はいつも可能、とは言うけれど。)
このことの原因は「NGゾーンが広くなっていくこと」や「新しい情報との接触機会の減少」など、いくつあります。
詳しい説明は、後回しにして、そういう課題を乗り越えていく「創る人々」に学ぶ打ち手としては、次の事があげられます。
- かつて検討してNGだったところにも、まだまだやっていないことがあると信じてつぶさに見ていくこと
- いろんな作品や人や土地をたずね、直接的に役に立つわけではない新しい情報とも接触していくこと
- 既に知っている作品(モノだったり、コトだったりしますが)をつぶさに見て、新しい洞察を得ること
- 自分の創造のプロセスを単純なモデルにしてみること。その一部に別のものを取り入れていくこと
そんなことを意識してみると、自分なりのよい方法が見つかるかもしれません。
この辺については、関連するで面白いこともたくさんあるのですが、いま下書きをしてみたら、えらく冗長になってしまったので、ばっさり削っておきます。この辺、折に触れ、また紹介したいと、おもいます。
・・・
6観点リスト
なお、創造工学的に「発想の観点を大きく変えるには」という当初の問いに、ダイレクトにも答えておきたいとおもいます。ただし、先にあげた物よりも、「即効」であり、ずっと「表面的」ではありますが。
古今東西の発想技法の文献を見ると、発想トリガーにあたるものは、各種あります。それらを分析して、一定の方法で、その観点を抽出してまとめ直し「発想の観点のリスト」に整理したものです。自分の取り組む課題に対して、広い視点で見てみようとする時に、(1)考えていなかった観点を探して、(2)そこに対して考えをめぐらせます。
(リストの出典:拙著『アイデア・スイッチ』)
ことさらに、こういう道具が無くても、人は「沢山考えれば出てくる観点」ではありますが、一般に、ヒューマンスケールよりもずっと大きいもの(環境)や、インタンジブルなもの(意味・価値)、あるいは、会議室ではすごくスポイルされている感覚などは、短い時間のブレストや検討では、観点として、抜けている傾向が強いです。これはそれを補います。
2009年、本を書きました。
(6観点リストも、出てきます)
(6観点リストも、出てきます)
ブレインストーミングを自然と学ぶカードゲーム「ブレスター」とか、
アイデア会議専用ホワイトボード「ブレインペーパー01」など、
そういう「発想する会議の道具」を作っています。
各地で、アイデア創出ワークショップを不定期に行っています。
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