大きくなっても、創造する組織であるための大きな要因が「ありがとう。」にあるのかもしれない、という仮説
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昨年5月、「面白法人カヤック」に1週間、滞在しながら、作り続ける現場を体験してきました。残すところあと一日、という時点でそれまでの観察を振り返ります。
5月27日 23:00
筆者は、宿泊先のホテルの机で、今日、発見したしてきたこと書いている。
【1】音に感じる組織の横顔
初日に感じた「ここ、集中しやすいな」は、音と声にあった。
よく聞いてみると、ストレスになるようなとがった音がない。声にしても、あちこちで人のしゃべる声があるが、張り詰めたような職場での会話に見られるような耳障りなトーンをほとんど含んでいない。
働きやすいから、お互いがそういう心理状態で接しあえるように見えた。
【2】創造的な要素をこわさないで受け渡しができること
二日目の「ブレインストーミングのやり方だけにポイントがあるわけではない、と感じた」は、「創造的な要素をこわさないで受け渡しができる素敵な相互関係」にあった。
カヤックでは、組織全体が創造的な要素をそのまま受け止めて、次の段階へと受け渡していける。
この【1】【2】を成り立たせている背景には以下に述べる「ありがとう。」が豊富にある職場(ありがとうrichオフィス)があると思われた。
【3】「「ありがとう。」組織」
三日目には、加藤昌治さんによるワークショップが開かれた。講師でいらした加藤さんは、カヤックの印象として「しっかりと挨拶(お礼)ができる」ことを述べられた。確かにワークショップの終わりには、気持ちの良い御礼と拍手が、自然となされていた。
「ありがとう。」について振り返ると、同社に留学して、会話や社内のメールの頻出単語は「ありがとう。」であることに気づいた。(1)留学初日にしめされる「面白法人カヤック ルールブック」「カヤック取扱い説明書」というものがある。就業規則にあたるものと、社内の運用マニュアルに当たるものである。このルールブックと取扱説明書の中には、「ありがとうの文化であること」が明言されていた。(2)トイレには中期計画とおもわれるシートが4枚貼ってある。各シートに、中期目標+「ありがとう。」が書かれている。(3)何かの仕事を誰かに依頼した時も、してもらったら、かならず、「ありがとう。」と言っている。
そして、長考のすえ、にわかには信じがたい仮説が浮かんでいた。大きくなっても、創造する組織であるための大きな要因が「ありがとう。」にあるのかもしれない、という仮説。この点をもう少し詳しく述べたい。手元のメモを起こしてみると、こうなる。
カヤック留学中、できるだけ中立な目で見ようとしていたつもりだが、先入観があったのだ。その先入観が「"ありがとう。"を、重視しています。」という文字や言葉を、取るに足らない情報だとして、観察眼の範疇から外していたと気がつく。これは「カヤックらしい」を、理解するうえで、大きな見落としであった。
この「ありがとう。」という空気がオフィスの中に満ちているので、大きくなっても硬化しないでいられるように思われた。成長する組織が大企業病にならないように組織に魔法をかけつづける効果があるこの組織風土を「ありがとうrich オフィス」と名付けたい。
ただ、カヤックに学ぶ場合、アプローチを間違えてはいけない。挨拶・御礼を述べることを強制してはいない。行動を強制するのではなく、文化を明示する。その結果、相手を認め、相手のしてくれたことにまめに賞賛を与える。行動上に見える事として、会話が基本「ありがとう。」になっていく。
以上、三日目までに見たことと、そこから感じたことを、報告した。
今日の発見 :
「ありがとう。」で満たす。職場が老化しない。
補足:
カヤックのサービスには、「ありがとう」をテーマにしたサービスもある
「THANKS」 WEBサービス
「THANKS bottle」 携帯電話サービス
・・・
しかし、これだけだろうか。
「ありがとう。」をたくさん根付かせるだけで、創造する組織がつくれるだろうか。たぶん他にも非常にたくさんの要素があるはずだ。筆者に残された時間はすくない。もう少しだけ、なにか得られないか、最終日にかけてみたい。(最終日に続きます)
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