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盛り上がるブレストばかりが良いブレストじゃない。沈黙も含めて大事にしたい。(アイデア・デザイン・創造学を研究しているといろんなTipsに触れます。600文字で紹介します。)

一つを繰り返し活用して習熟する方がいい

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創造技法というのは、さまざまあります。その本質は似ています。私はワークショップなどでいつも言うのですが、いくつも創造技法・発想技法を学ぶことに時間をかけることよりも、自分に合う発想法を一つか二つ手に入れたら、それを繰り返し繰り返し活用して、その技法に、習熟する方がいいです。
 
一つだけ(たとえばマインドマップ、たとえばアイデアマラソン)を集中してつかえば、かなり短期間でその技法による発想が得意になります。使えば使うほど、学習曲線を滑り降りて、短い時間でできるようになります。
 
分野によっては使いやすい発想技法は違いますので、一つだけでは太刀打ちできないこともありますが、発想法の一つに秀でていると、他の技法を学んだときに、直感的にその技法を理解することができます。そういう意味でも、将来のためにいくつも知るよりは、自分の使いやすいものを1つか2つ決め、それを徹底的にやりこむといいと思います。
 
また、発想法は独自化することをおすすめします。正統な使い方をしり使いこなすことも大事ですが、自分の使いやすい方法にしていくことで、自然とたくさんのケースに適用が可能な技法になっていきます。
 
 
補足:
 
ただし「独自化」を進めると、一般には、他の人には伝えられない技法になっていきます。熟達して行く過程で、直感的な思考操作がたくさん入っていき、複数の思考ステップを意識せずに実施するようになる傾向があるからです。説明を試みるととても長い説明が必要になったり、逆にシンプルに伝えようと削ってみると、本来の技法の基本部分だけに戻ってしまったりします。
 
そういう状況を乗り越えて、新しい発想技法として世の中に台頭していくものも、中にはあります。古典といわれる発想技法の本を見ていると、お師匠さんのそれを越えて、新しい技法をつくっていく様子が時折みられます。
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