ガラパゴスな機能比較ではわからないAndroid、iPhone対抗のWindowsモバイル端末T-01A
Android携帯HTC-03Aに注目が集まっていることは否定しないが、iPhone対抗的な位置づけでは
東芝から発表されたT-01Aも忘れずにチェックしておくことをお勧めする。これまで何度か
空振りに終わってしまっていたWindows Mobile搭載のハイエンド機がようやく日本でも
大手を振って使えるようになりそうだ。
今回東芝がNTT docomo用に日本で発売するT-01Aは、すでに欧州向けに発売されている
TG01の日本仕様版である。低消費電力で稼働するQUALCOMMの携帯端末向けチップセット
Snapdragonを搭載し、1GHzのクロックスピードで軽快な操作と長時間稼働を両立している。
ハードウェアスペックは東芝が満を持してドコモ向けに端末を提供しただけあって
さすがにたいしたもので、同じくドコモから発表されたHTCのAndroid携帯を凌駕している。
スマートフォンと括られる端末で機能的な差がなくなりつつある状況において、個人的には
画面と稼働時間と大きさと処理速度の4点がデバイスとして重要と思うがいかがだろうか。
タッチパネル対応 約4.1インチ ワイドVGA(480×800ピクセル) 6万5536色TFT液晶
に対し、HT-03Aは画面サイズも解像度も一歩及ばす
タッチパネル対応 約3.2インチ ハーフVGA(320×480ピクセル) 65536色TFT液晶
W-CDMA:約250時間/GSM:約180時間
に対し、HT-03Aは約半分で
W-CDMA:約140時間/GSM:約100時間
Qualcomm Snapdragon QSD2850, 1 GHz (ソース)
に対し、HT-03Aはこれまた半分で
Qualcomm MSM7201a, 528 MHz (ソース)
他の観点では、外部メモリがmicroSDHC(最大16GB)
まで使えるのに対し、HT-03Aは
microSDHC(4GB)までしか使えないようだ。
「“スマート化”が進む携帯端末、決め手はソフトウェア」という記事でも触れられているが
ハードウェアスペック以外の要素としては、アプリケーションソフトウェアおよび
そのプラットフォームとなるOSの選択も大きい。この点では現段階においてiPhoneが
一歩ぬきんでている感があるが、SymbianやWindows Mobileも黙ってみているわけではない。
Windows Mobileの場合、ユーザーとして利用する際もアプリを開発する際も、PC環境との
共存によるメリットが最も大きいだろう。ビジネスユース向けとしての完成度は高い。
マイクロソフトの中の人になる前からX01HTを個人端末としていた私としては、
日本でももっと多くのWindows Moble対応端末でてこないものかと心待ちにしていたが、
その数は満足できるほど多くない。例えば、残念ながら日本で未発売のHTC Touch hdや
グローバル版はWindows Mobileながら何故か日本では独自OSになってしまった
サムソンのOMNIAあたりは空振り感が強かった。
また、これら端末に搭載されているWindows Mobileのバージョンは現在最新版の6.1。
すでに発表があった6.5にアップグレードされるかどうかは東芝側も現時点では
明らかにしていないと思われるが、期待は持てる。(詳細は自身でご確認いただきたい)
マイクロソフト的に勝負番号の7に至るバージョンを細かく刻んでいるのが多少じれったいが、
OSが進歩することで操作性や省電力性能が改善されることを切に願っている。
それにしても、いい加減どうにかならないものか、と思ってしまうのがドコモから
発表されたどうにもガラパゴス感満載の機能比較表(PDF)だ。
正直、デコアニメも、着うたフルも、おサイフケータイもどうでもいい、ガラパゴス的な
ケータイ文化には嫌気すら感じてしまうのは私だけだろうか?おそらく同じようなユーザーが
iPhoneを使っているのだろう。私もプライベート携帯はiPhoneを使用しており、グローバルかつ
革新的な仕掛けに学ぶべき点は多い。キャリアもユーザーも変わらないのであれば、
デバイスメーカーかプラットフォームベンダーが変化を仕掛けてゆくべきなのだろう。
こと、日本においてはWindows MobileはiPhoneやAndroidと対峙する段階になく、
むしろ結託してキャリアやユーザーを啓蒙するステージにあるのではなかろうか。