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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

Amazonのジオン的機能拡張に、Azureはプリウスの販売戦略よろしく連邦的正攻法で対峙する

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Amazon EC2がロードバランシング機能などの追加を発表した。Elasticという名称に
徐々に実態が追いついてきつつあるようだ。しかし、だからといってAzureの商用展開準備が
まだ整っていないマイクロソフトが浮き足立つことはない。パブリッククラウドの市場が
活況を呈することは、よいことである。

今回はZガンダムのグリプス戦役ではなく1年戦争を思い描きながら考察を進めたい。
その前提知識として、ジオンと連邦でモビルスーツ開発のアプローチが大きく違うことを
ご存知だろうか。

量産型を一気に生産して戦力を整えた後、指揮官用のエースカスタムや局地専用の改修を
現場判断で自由にやらせることで機体の性能向上をはかってゆくジオンに対し、
連邦軍は最初に超ハイスペック試作機を建造して実践に投入し、そのデータを分析して
コストダウンした量産型を大量生産するのである。

この違いは、国力、戦略スピード、兵の練度の観点を考えれば双方とも至極妥当なものである。
ジオンは国力が乏しく、戦争を長期化すると不利であったため、モビルスーツを活用した
電撃作戦で一気呵成に決着をつけようとしていた。また、モビルスーツの実践投入が早かった
ことから、扱いに慣れた優秀なパイロットやメカニックが多く存在していたため、彼らの能力を
最大限発揮させるためには自由度高く現場に任せる方が効果的であった。

一方、連邦はモビルスーツの実践投入に後れをとり、挽回策としてガンダムを含むRXシリーズの
開発に着手する。総司令官レビル将軍肝いりで、資金を最大限投入して進められた最優先
プロジェクトであった。とはいえ、実戦経験がなかったため、新しい概念の兵器体系を扱える
人材は少なく、試作機では戦場でのデータを持ち帰る役割を優先した設計になっている。
コアファイターによる脱出機構はパイロット救出のためではない。データ回収がその主たる
目的である。ノウハウさえ蓄積できれば、圧倒的な国力を背景に量産型を大量配備できる
という自信があってこその策である。

そして、双方問題を抱えながら兵器開発を進めて行くことになる。
ジオンでは、行き過ぎた現場主義が混乱を招くことになる。亜種や現地改良を含む
多くの型式の存在は、当初の電撃作戦の目論見を外して地上を含む長期戦の様相を呈する中で、
生産・運用効率を徐々に低下させて行く。生産ライン・部品の互換性やコックピットの違い
によるパイロット訓練時間の増加などによる非効率が、もともと国力で劣るジオンにとって
許容できないレベルになり、その後規格統一をはかる統合整備計画を実行せざるを得なくなっている。
ギレン・ザビ以下ザビ家4兄弟のカリスマでどうにか組織をまとめあげていたジオン公国軍であるが、
兵器の開発、運用に関してはガバナンスがきいていないカオス状態となっていた。

対する連邦側は常に時間との戦いとなる。現実社会においても、大量の資金を投じたとはいえ、
研究開発が予定通りの期間内で成功するとは限らない。ミノフスキー博士の亡命や
テム・レイ大尉の活躍がなければ、シャアの部下による0079年9月18日のサイド7襲撃時に
アムロが乗り込むRX-78-2が動いていなかったかもしれない。ここで試作機がことごとく
破壊されていれば、連邦のモビルスーツ開発計画は大幅に遅れていただろう。
幾多の偶然に助けられ、間一髪で間に合ったというところか。

さて、タイトルでプリウスにふれているが、ジオン=インサイト、連邦=プリウスの構図で
販売戦略を見てみよう。インサイトの低コスト戦略による車種別月間売上1位の大金星は
さしずめルウム戦役におけるジオンの圧倒的勝利といったところだろうが、トヨタ側は
RGM-79ジムを大量配備するかのごとく、レクサス以外の全4チャネルで一気呵成に販売を展開。
チャネル間での競合もある中、強力な指導力で生産、販売の体制を整えて逆転を狙う策は、
オールトヨタのケイパビリティを活かしたよい戦略である。

では、Azureはどうだろうか。中から見ている限り、そのプロセスの準備は連邦軍的であるといえる。
これまでも大変お世話になっているお客様、SI'er様、ISV様などのステークホルダー各位への
影響を考えれば、焦って五月雨に展開するより慎重によいものを提供しようという方策は
ご理解いただけるのではないだろうか。クラウド・ネイティブの方々には後発の割に
スピード感がないと揶揄する声もあるだろうが、価値ある商品を提供し、ビジネスで
成功するためには当たり前のことである。天の時、地の利、人の和が整うタイミングを、
周到に用意しようとしているのである。

個人的にはバリエーションにとみ、それぞれの開発秘話に男気を感じるジオン系の方が
好みではあるが、費用対効果を考えれば連邦に分がある。ギレンの野望を初心者がやるには
致命的なミスを何度か重ねてもリカバリできる連邦編の方がクリアしやすいのも納得である。
さらに、今のマイクロソフトがティターンズのようにジオンらしさを頭ごなしに否定するのではなく、
エウーゴ的にジオンの良さを理解して取り入れようとしている点も見逃せない。
リスクやコストを考慮してビジネスでクラウドを使うなら、判断を間違う人は少ないだろう。

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