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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

アーガマ隊=Azure Services Platformの全貌

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宇宙世紀0087年、反地球連邦組織エウーゴは、戦略遂行の中核を担うアーガマ隊を結成しつつある。
強襲揚陸艦アーガマと、その艦載機となる数種類の最新鋭モビルスーツによる部隊編成で、
後にリックディアス、ガンダムMKII、百式、メタス、Zガンダムと呼ばれることになる機体の配備が予定されている。

強固なプラットフォーム上に5つのコンポーネントが描かれたチャートを、マイクロソフトが2008年10月にラスベガスで開催したPDCのキーノートで Ray Ozzy が発表したスライドの中でみることができる。クラウドOSとして脚光を浴びた Windows Azure であるが、実は単体で運用されるものではない。なじみ深い Windows というブランド名がついていながら、おそらく一般のエンドユーザーが Windows Azure のデスクトップ画面なるものをみることはないだろう。大規模なデータセンターに配備されるおびただしい数のサーバーを束ねたクラウドを司るOSである Windows Azure に直接触れる機会があるの人の多くは、アプリケーション開発者である。

アプリケーションを開発する際、開発者は一般的にプラットフォームが提供するAPIや開発キットを利用することになる。オンプレミス(サーバーやソフトウェア資産を自社で所有、運営する方式で、クラウドの対義語的に使われることが多い)な世界では、.Netフレームワークとしてまとめられるテクノロジー群や SQL Server などのサーバー製品が提供されてきた。
これまで多くの開発者を支えてきたマイクロソフトは、クラウドの環境でも同じようにアプリケーション開発基盤を提供しようとしている。PDC で Ray Ozzy が発表したのは、単なるクラウドOSではなく、Windows Azure を中心とした Azure Services Platform という一連のサービス群なのである。

Azure_services_platform

Azure Servies Platform に含まれる5つの開発者向けコンポーネントには、いずれも接尾にServicesがつく名称がつけられている。
クラウドを利用したデバイス同期などを実現するLive Services、Active Directoryとのフェデレーション認証などを実現する.Net Services、SQL Serverの技術を活用しつつ拡張性、可用性に優れたデータストアを提供する SQL Services、すでに企業向け情報共有で多くの実績をもつ SharePoint Services、クラウド上に展開する代表的なソリューション領域となった Dynamics CRM Servicesの5つである。
これらを利用することで、各企業の情報システム部で社内向けシステムを開発していたり、ISVでソフトウェア製品を開発していたり、Web製作会社でモバイルを含むサービス開発にいそしんでいたりする広義の開発者は、慣れ親しんだ開発環境、知識、スキルを生かしながら、クラウドの世界に移行することができる。

冒頭で列挙したアーガマ隊所属のモビルスーツがどの Service に対応するのか、各サービスのサブコンポーネントはどのような技術にあてはめられるのか、今後の投稿でその全容を少しずつ明らかにしてゆく。

また、見落とされがちなことではあるが、我々エウーゴはまだいずれの陣営とも交戦状態になく、来るべき激戦に向けた準備を進めている段階であるにすぎない。連邦軍内部におけるティターンズとの内戦はどのように起こるのか、回避できるのか、アクシズとはいつ本格的な敵対関係になるのかは明らかにしていない。よって、黒いガンダムとして登場するRX-178 ガンダムMkIIの奪取は、戦闘準備が整うまで、今しばしお待ちいただきたい。
待ちきれない場合は、azure.com より技術評価プログラムに志願し、実戦テストに参加することで次世代モビルスーツの性能を自分の目で確かめてみてはいかがだろうか。

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どうでしょう?ご理解いただけましたか?
今回はまだ導入部ということで、ガンダム語を少なく、Azure的な用語を多めにしてみました。
Azure Services Platform の概要を説明するこのチャートを見たとき、私の目にはアーガマ隊の構成にしか見えませんでした。

ガンダムの世界観は現代の西暦ではなく、宇宙移民の開始を起源とする宇宙世紀におこる出来事として描かれています。Zガンダムの舞台となる宇宙世紀0087年は、0079年にアムロやシャアの戦いをジオンvs連邦の構図で描いたファーストガンダムの7年後です。ガンダムに登場するモビルスーツと呼ばれる人型兵器も、この7年の間に大きな進化を遂げています。
特に、アーガマ隊に配備されるエウーゴの最新鋭兵器は新しい技術を貪欲に採用した第二世代モビルスーツとして語られます。

クラウドコンピューティングへの変革は、かつてホストからオープンに、PC一人一台、常時接続、Web2.0といったコンピュータのあり方、使い方が大きく変わる時代の区切りと同じようなインパクトがあると考えています。その時代に現れるテクノロジーは、やはり第二世代としてとらえるべきでしょう。

最後のポイントも重要です。クラウドコンピューティングを語る際に、これでビジネスのあり方も変革される!という発言を見かけますが、先行する amazon.com をのぞき、マイクロソフトを含む各陣営はまだ本格的なビジネス展開を行っていないのです。この微妙なタイミングは、技術者にとっては格好の機会です。先日開催したTechDays2009でも多くの技術情報を提供させていただきました。商用提供の開始前に、できるだけ多くの情報を入手し、どの領域に、どこまで使えそうか、という技術評価をしてもらいただきたいと思います。

Comment(1)

コメント

イーヨ

ガンダム世代ではありませんが…

最近、クラウド関連の書籍の出版が目白押し(おおげさ)みたいです。
クラウドという言葉自体がよく出来たメタファーですね。
雲は浮かんだり、消えたり、流れたり、とどまったり、雨になったり、雪になったり、霙になったり、その多態性もさることながら、その要素である水は老子がいう融通無碍であり、形を変え、低いところ低いところへと移ります。孔子がいうには君子のつきあいはその淡きこと水の如し、とも。太陽(コンピューターセンター)があるから生じるのにその存在は光をさえぎる(仮想化する)ようにはたらいています。

クラウドを別のメタファーで表すとすれば言語も適当と思われます。
近代言語学の範囲を決めたフランスの言語学者ソシュールの思考に依ると、
言語が通じるのは人間の生得能力としてのランガージュがあり、社会規範としてのラングが存在し、個々人が現在、実際に話す言葉であるパロールによって、ラングが維持されると説明されているようです。ここでクラウドを言語と置き換えれば、ランガージュはクラウドが生まれた時すでに内包しているものでサービス要求と対応能力、そしてラングに相当するものがインターネット、パロールはインターネット上のアクセス、コンテンツ、サービスといえそうです。ソシュールは言語学の範囲として、ひとまずラングから始めるべきと言っているところは少しずれが出てしまいますが。

クラウドがいかに世の中に普及するか、またどの方式が生き残るかは言語と同じく、簡素化されていながらも充分な表現力が残っていることが条件になると思われます。
オープンソースはそれなりの優位性を持っています。しかし、それだけでは覇者の条件とはいいがたいようです。今後は、それぞれの陣営が既存の設計図の入手と設計者の囲い込みに走るような気がします。

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