MDM(Meter Data Management)の分析(2): 主要ベンダーとAccentureによるMDMシステム構築のキーポイント
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スマートグリッドの市場は、国が予算化した多額の助成金・戦略的な投資が寄与して急速に立ち上がり、継続的な成長を見せている。
助成金の多くは、全米各地の電力会社が各家庭にスマートメータを実装するプロジェクトに投じられ、スマートメータ事業者、メータ同士をネットワーク接続するAMIベンダーが急速な成長を遂げた。
現状は、スマートメータの導入に向けた助成金は、その行き先が決まり、業界は次の大きな波に期待しており、MDMに注目が集まり始めている。
以前紹介した、GTM Research社の発行したレポート、The Emergence of Meter Data Management (MDM): A Smart Grid
Information Strategy Reportでは、新しい事業として、MDM(Meter
Data
Management)という技術が大きく成長する、と予測している。
既に実装されている大量のスマートメータが生成する膨大な電力消費情報を収集し、データベースシステムとして管理、分析を行うニーズが急増する、という事がMDMの成長する背景にある、とされている。 これは完全にIT系の技術であるゆえ、電力会社としてはアウトソースしてシステム実装しなければいけない、という事実も市場の成長に寄与する、と考えられている。
下記が既にMDMソリューションに名乗りをあげているベンダーのリストである。 見てわかるとおり、IT系のベンダーで占めている。
Accenture既に実装されている大量のスマートメータが生成する膨大な電力消費情報を収集し、データベースシステムとして管理、分析を行うニーズが急増する、という事がMDMの成長する背景にある、とされている。 これは完全にIT系の技術であるゆえ、電力会社としてはアウトソースしてシステム実装しなければいけない、という事実も市場の成長に寄与する、と考えられている。
下記が既にMDMソリューションに名乗りをあげているベンダーのリストである。 見てわかるとおり、IT系のベンダーで占めている。
Intelligent Network Data Enterprise(INDE)と称するソリューション事業を発表し、スマートグリッドで生成するデータの収集、処理、データベース化、分析、等の機能を統合的に提供するシステム。 詳細はここ
Aclara Software
MDMシステムと称して、データ統合、VEE(Validation, Estimation, Editing)、データストレージ/管理をシステムとして提供する。 詳細はここ
Ecologic Analytics
拡張性のあるMDMシステムを提供し、ワークフロー、メータデータ収集/管理機能、リアルタイムのコマンド実行、拡張性のある課金管理、バックオフィスシステムとの同期、VEE、停電時の対応機能、等、様々なアプリケーションをサポートしている。詳細はここ
eMeter
自動化された、Meter-to-cashシステム(メータ情報をベースに自動的に課金システムに連携する機能)を提供し、さらにVEEエンジン、その他様々な条件によって課金システムを最適化する機能をサポートしている。 詳細はここ
Hansen Technologies
メータのデータを処理する機能、特に大量のメータからの情報収集、管理を提供する。 収集したデータは、既存の課金システム、もしくはHansen社が開発しているHansen CISとの連携ができる。 詳細はここ
Itron
スマートメータの実装率が高いため、広い範囲のユーテリティ事業者に採用されているシステムを開発。 詳細はここ
NorthStar Utilities Solutions
MeterSenseと呼ばれる製品を提供し、メータから収集したデータの収集、管理を行い、インテリジェントなワークフローを構築する事が出来る。 システム全体の効率をモニターし、システムの負荷が一極集中しないための分散化機能が特徴。 詳細はここ
Olameter
複数ベンダーの製品をサポートするMDMSを提供し、複雑なメータ統合環境の中から、効率的にデータを収集して管理できるシステムを提供している。 詳細はここ
Oracle
同社のMDMアプリケーションは、顧客、サプライヤー、製品、課金データを統合的に管理し、ガバナンス機能を提供する事が特徴。 同社のMDM Suiteは企業内のデータを統合し、特に複雑なデータ分析が必要なスマートグリッドデータを効率的に行えるような構造を持っている。 詳細はここ
Telvent
Conductor MDMという製品を提供し、複数のAMIネットワークからの情報を収集、管理し、ユーティリティ事業者の各部門でそれぞれ利用出来るような統合的なデータ管理を行っている。 詳細はここ
上記以外に、多数のベンダーが登場しており、当面この辺の整理が必要になってくる。
Accenture社によると、MDMによって提供すべきスマートグリッドデータの管理は次の7つの重要な要件を満たす必要がある、と述べている。
1. スマートグリッドで取り扱うデータのデータクラスを定義し、分類を明確にする。
下記のデータクラスがAccentureに基づく定義である。
- Operational: スマートメータやネットワークが分析し、収集するグリッドの電力状況を示すデータ
- Non-Operational: グリッド上の資産の健康状態(稼働状況など)を占めるデータ
- Meter Usage: 各家庭での電力消費情報や、デマンド規模、さらにその上方のピーク、平均、分散状態の情報
- Event Message: スマートグリッドデバイスが発信する非同期のイベント情報(障害情報等)
- Metadata: 上記のデータクラスを分類、整理、分析を行うためのメタデータ
2. グリッドから収集した様々なデータソースをどのように分類、分析すれば最も効果的なサービスモデルを構築できるかを見極める。
スマートメータは、エネルギー消費量/時間、電圧状況、警告情報、外部からの侵入情報、等、多くに情報を提供できる様に設計されている。 Meter-to-cashシステムにとってエネルギー消費量が重要な情報源である一方、その情報はコンシューマに対して節電を促すための情報源にもなる。 障害発生時には、メータから発信される警告情報を効率的に収集することによって、ユーテリティ事業者が運営しているOMS(Outage Management System:障害管理システム)が適切な対策を指示することができる。
3. 分散データとアナリティクスのアーキテクチャを作用し、信頼性や性能の課題を対処
障害検知等のシステムを構築する際に、AMIネットワークのもつ分散機能を利用し、各地域に分散されているスマートメータのネットワークを管理するサーバ上で障害の検知、状況把握、対策の指示をローカルに自動化し、障害の対策を局所化する、といったソリューションなどが好例である。 ユーティリティ事業者の中核システムに障害通知が届かないと対応ができない、という超集中システムでは、大量のメータ、そこから発信される情報への対応が事実上不可能になるからである。
データの質、その用途によって「通信の頻度:Frequency」、と「通信速度:Latency」を決めていかなければいけない、ということである、下記がその分類の事例である。
通信頻度 | 通信速度 |
(何回データを読むか) | (どれくらい早く送るか) |
常に読む | リアルタイム: 要求から対応まで一秒以内 |
一時間に一回 | 準リアルタイム: 要求/対応が10秒以内 |
一日に一回 | 需要に基づいて速度を決める |
事象が起きた時のみ | 一定時間内に対応できればOK |
MDMの導入計画は、AMIの導入とも重要な関係を持っている。 AMIのソリューションには、OMSの負荷を軽減するために分散化した機能を提供するものもあり、その仕様については十分吟味する必要がある。 例えば、障害発生時の対応等その違いが大きく出てくるケースがある。 一軒の家庭で起きた電力障害の場合は一軒に問題が居所化されているのでOMSに直接状況を報告すればいいが、自然災害等で、特定の地域で大規模な停電が起きた場合など、一極集中システムの場合は、緊急対応要求が大量にOMSに集中してしまうため、この処理を分散化する必要が必ず出てくる。 この時にAMIとして何が出来るのか、どのソリューションが最もMDMと連携して迅速、かつ適切な対応方針を算出することが出来るのか、AMIやMDMを選定する際の重要な要件の一つとなる。
5. スマートグリッド運用のためのアプリケーションの種類、構造、等を十分に考慮の上、不必要なカスタマイゼーション、追加開発の無いプランを立てる
スマートメータの主たる機能は、メータが収集した電力消費情報をAMIを経由して、MDMシステムが実装されているユーティリティ事業社のサーバシステムに送り、電力供給の最適化のための分析を行う機能である、と解釈されている。 しかし、それ以外にも、変動制の電気料金に基づく複雑な課金システム、障害検知/回復、Revenue Protection(電力の盗用を防止するシステム)、等、高度なアプリケーションのための重要なノードになる。 これらのアプリケーションをすべて計画段階で明確に定義し、計画的にシステムの構築を行う必要がある。 特に必要以上に巨大なデータウェアハウスへの投資は避ける必要がある。
6. Complex Event Processor(CEP)などの様な新しいデータ処理技術を採用する事を検討する
CEPは、エベントデータをライルタイムで分析し、システム全体の状況の変化を早い段階で検知し、迅速な対応が図れる様な機能を提供する。 スマートメータに対する予測していないアクセス、ネットワーク上のノードの特定部分での通常予測しないイベントを検知し、その組み合わせによって現象、原因を分析し、対応策を算出するシステムを構築するための技術である。
もう一つの用途は、サービスの最適化である。 スマートグリッドの導入によって、顧客に対して、電力使用時間帯の限定、電力料金ピーク時の電力使用回避、使用電力量の上限設定、等、様々な付加価値サービス、というか顧客が自分でコントロールできる様なサービスを提供する市場になる。 どのサービスプログラムが最も顧客の満足度を高め、尚且つユーティリティの収益を最大限に上げ、さらにシステムの負担を最適化(平準化)するのか、その分析をするためにCEPによる評価が大きく役に立つ、と期待されている。
7. ビジネスプロセスの抜本的な改善(最適化)をスマートグリッドの導入と共行う
新しい構造のデータがスマートグリッドの導入によって生じるとともに、従来のビジネスプロセスが大きく変わることになる、という可能性は非常に高い、と考えられる。 新しいビジネスプロセスは、新しく生成、管理、分析するデータをベースに構築する必要があり、場合によってはその新しいビジネスプロセスを運用するための組織体制も変える必要まで出てくる可能性がある。
例えば、スマートメータから収集でき量になる、各家庭の電力消費状況をベースに消費ピークを平準化するための変動性の価格体系を動的に設定する事が可能になる。 また、コンシューマは自分の電力消費をより細かく制御し、電力料金を下げる事が出来るようなツール等(カスタマーポータルサイト等の立ち上げ、等)を要求するようになる。 これらのニーズは今までのビジネスプロセスに存在していなかったものであり、場合によっては、新たな人的な投資も必要になってくることも想定される。
http://www.smartgridnews.com/artman/publish/Technologies_MDM_News/MDM-Market-Takes-Off-From-54-Million-to-221-Million-in-Five-Years-New-Report-Says-2903.html
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