ご無沙汰しています。
とは言え,一時の氷河期に比べたら、投稿の回数が増えてきました。SNSがいくつも蔓延している世界に於いて、ブログの力を改めて見直す事も良いのでは、と思う様にしています。
さて、5/28に実施したセミナーの第2弾を開催する運びとなりました。
題:『鈴木逸平氏による『次世代IT時代に向けた提言(仮)』セミナー』
http://eventregist.com/e/ippeisuzuki_newit
日付は、7/24(木)に決定し、今回はニフティーさんの西新宿の会場をお借りする事になりました。CUPA(クラウド利用促進機構)のお力添えを頂き、準備を進めております。
今回のテーマは2つあります。
1)クラウド/IoTの業界の動向と今後の分析
2)ビッグデータの時代:7/23~25, NYCで開催されたMongoDB Worldの報告
それぞれ、北米を中心とした情報を収集してまとめますが,今までのIT業界の時代の流れを見ている人間としては、北米で起きた事が大方日本で時間差を於いて起きている事は事実で、クラウド/IoTは勿論の事、ビッグデータについても今年は日本でも成長を遂げる技術として注目してます。
重要なポイントは、上記の2つのトピックが、日本国内ではそれぞれ別のカテゴリーに分類されて議論されている事です。クラウド/IoTはどうしてもプラットホーム技術として,主としてシステム管理者(Ops)、アドミニストレータ、ホスティング事業社の世界の話、言い方を変えると、従来ハードウェア中心のインフラから来ている世界です。
一方、ビッグデータは、アプリケーションと管理されるデータの技術です。対象はアプリケーションプログラマー(Dev)、DB管理者、等、業務の前線にいる人達です。お互い同じIT業界にいながらも、意外と日本では綺麗な線が引かれているのが現状です。
北米はクラウドの浸透と共に、この2つの領域がだんだんと交わり、一つのサービス事業として統合されつつある世界です。AWSのモバイルSDK等,上位のアプリのサービス展開、クラウド各社のPaaS事業への多大な投資、OpenStackのサービスもアプリサービス系がドンドン開発されてきています。IaaSビジネスの差別化には上位のレイヤーを統合的に提供する事が唯一の要因になってきている事と、AWSがほぼコントロールしているIaaS業界に留まっていては、マージンがドンドン薄くなってそもそも商売が出来ない、という根本的な問題もあります。
また、アプリケーション業界もクラウドのみならず、スマホ、タブレット、自動車、各種IoT系マシン、等広い範囲からデータを収集し、管理分析を行なってサービスを提供するモデルを汎用化させるためにも、様々なプラットホーム上での実装,運用が必要になってきます。従来の様に特定のOS、サーバでいくら性能/信頼性を最適化しても、世界に繋がらないのでは、誰も使ってくれません。アプライアンスの時代は完全に終焉してます。
この辺をじっくり解説します。だから、上記の2つのてーまは別々ではありながらも、一番論じたい事は、その2つが合わさると何が出来るか、という事を究極的に見極める、という事です。
いくつか例を挙げます。北米では下記の様なサービスが事業として既に何社も立ち上がっていて、収益を上げながら、確固たる地位を築いています。
- ベアメタルデータベースソリューション
- DBaaS事業(特にNoSQLで顕著)
- クラウドプラットホーム間でのデータベースサービスの統合(負荷分散、DR対応、データ同期、等をSQLを始めとしてDB APIレベルで統合)
- クラウドストレージの付加価値サービス事業
いずれも、日本ではまだ存在してい無い事業です。
勿論,検討している大手日本企業はいっぱいあると思うんですが,北米では、上記の様な事業は大手IT企業がやるのでは無く、スタートアップ企業が先陣を切っていて、成功もしています。
そもそもじっくり腰を据えて、時間をかけて要件を明確にしてから開発/テストを経てサービススタートを行なう様な技術では無い、というのが北米の業界での一般的な認識です。誰よりも先に革新的なサービスを打ち出して、市場を作り上げる事が最も大事なのでは、と強く感じます。
最近、日本でもDockerとかKubernetes等が注目を浴びていますが,個人的にはもう少しサービス指向性の高い技術が必要なのでは、と思います。コンテナ作るのも楽しいですが、それがゴールであってはいけなくて、それでどのような先進的なサービスを作る事が出来るか、が大事なのです。
今日はこの辺で、もう少し深い話は是非セミナーにて。