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デジタル・サイネージとスマート・ユビキタスネット社会

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Kaijou  先週、幕張で開催されたINTEROP併設の「デジタル・サイネージ・ジャパン2009」に行ってきました。公式サイトによると3日間で13万人が来場したとのことですが、個人的には想定していた以上の活力を感じました。

 基調講演の「デジタルサイネージと新しい都市空間市場の創出」を聞き、この発表でも参照していた総務省の「ICTビジョン懇談会報告書-スマート・ユビキタスネット社会実現戦略-」(6/5発表)を読み、ここで言う「デジタル・サイネージ」というのは”狭義のデジタル・サイネージ・システム”を指すのではなく、端末・ネットワーク・コンテンツを統合して商業空間や都市空間に適用した「スマート・ユビキタスネット社会」を実現するための”ビジネス・コンセプトとしての広義のデジタル・サイネージ”なのだと理解しました。また、これが世界的見て非常に高い日本のFTTHの普及率を活かして、日本の国際競争力を強化するための国策として、強力に推進されていることがよくわかりました。

 基調講演「デジタルサイネージと新しい都市空間市場の創出」では、「デジタル・サイネージ・コンソーシアム」の理事長でもある慶應義塾大学「中村伊知哉」教授がモデレータをされ、中村教授が「総務省と経済産業省が並ぶことは画期的だ」と評された、総務省・情報通信国際戦略局情報通信政策課「谷脇康彦」課長と、経済産業省・商務情報政策局メディア・コンテンツ課「村上敬亮」課長のお二人がパネリストとして参加されました。

 中村教授は、冒頭、約150社が参加する「デジタル・サイネージ・コンソーシアム」では、現在の約650億円のデジタル・サイネージ市場を2015年には1兆円規模に拡大させることを目指しているという景気のよい話から始められ、続いて、総務省の谷脇課長から「ICTビジョン懇談会報告書-スマート・ユビキタスネット社会実現戦略-」の概要について解説があり、「直近5年の日本の経済成長の1/3はICTによるもので、FTTH9割普及というアドバンテージをさらに活かしていきたい」というコメントがあった。村上課長からは経済産業省が進める空間ごとIT化するコンセプトの「e空間」や「街のソーシャル・プラットフォーム化」という考え方が説明されましたが、「ITが単に情報駆動するだけでなく、人の行動を直接駆動することで、初めて儲けが見えてくる」という考え方には共感を覚えました。

 展示会も盛り上がっていましたが、こちらはブログ「デジタルな広告たち」の方へ、”「デジタル・サイネージ・ジャパン2009」の展示会は想像以上の活力を感じました”という記事でアップしておきました。よろしければご覧下さい。

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