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アジャイルに行こう!

スクラムの原典を読み解く(2)

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不安定な状態を保つ

最初に綿密な計画書や指示があるわけではなく、チームは自由な裁量と同時に、困難なゴールを目指す。

オリジナルでは...

新製品開発は、トップマネジメントが不可能なくらい大きな目標を掲げてキックオフする。そこでは、明確に記述された新製品のコンセプトの企画書や開発計画書が手渡されるわけではない。逆に、簡単には出来そうもないくらいチャンレジングな課題が与えられ、その代わり、やり方はチームに任されている。新製品開発は、「計画どおり実行すれば完成する」というような計画書ベースの活動ではなく、最初から不安定な活動だと言えるだろう。チームメンバーには高い自由裁量と同時に、極端に困難なゴールが与えられる。これがスタート地点となる。

アジャイル開発では...

このような新製品開発における不安定さは、開始時に要求が決定していないアジャイル開発のモデルにも当てはまる。ソフトウェア開発はプロジェクトの開始時にすべての要求を固定することができないという特性を持つ。だから、アジャイル開発では、要求を固定するよりも、人を中心にしたコミュニケーションと協働でプロジェクトを前に進める。要求のリストは、優先順位をつけられて「バックログ」として管理されるが、このリストは時間とともに変化していく。常に不安的な状態といえるだろう。

スクラムを作ったJeff Sutherlandは、ソフトウェアの開発の新しいやり方を模索していたときにこの論文に出会い、まず、この状況の不安定さ、という共通点に目をつけたのではないだろうか。そして、この考え方がソフトウェア開発で使える、と直感したのだと思う。

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