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アジャイルに行こう!

SEMAT.org への批評と賛同

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さて、たまに日曜に時間が出来たら、急に semat のことばかり書いていますが。。。。この件については、現在、Ivar らのビジョンステートメントが出たばかりです。

一方、すでに、最初の批判記事も出ています。これには多くのコメントが付いていますので、ご紹介。題名からしてすごいのですが、

"Against SEMAT"
http://catenary.wordpress.com/2009/11/29/against-semat/

批判ポイントは、

「尊敬しているメンバーが含まれているが、Tom DeMarco の視点はどうした。つまり、現場のソフトウェア開発を効果的に行なうには、ソフトウェア工学はポイントを外している。--彼は最近ソフトウェア工学はその時を終えた、という論文を書いている。(平鍋のこれに関する解説とリンクはこちら)」

また、

「言葉だけの流行(fads)が多い、と嘆くが、実際に現在まで基礎となってきたコンセプトは、流行からはじまったものばかりで、それが出た瞬間には、それが単なる流行なのか、本当にうまく行く考えなのか判別が付かないのだ。それに、signatories に入っている人たちだってたくさんの fads を流してきたじゃないか!」

「シンプルな広く受け入れられた基礎をもとにするということだが、いったいどれを?合意は? HOW が全く見えない」

というような批判です。これらは、まぁ、そうかもしれないな、と思います。

そして、この記事のコメントの中には、「オブジェクト指向設計言語、方法論統一(UML/UP)のデジャビューだ。」というものもあります。なるほど。メンバー的にそんな香りもします。

でもね、でも、もうちょっとまちましょうよ。今の段階では、これを批評してもまったく意味がないと思う。それよりも、これだけの重鎮たちが、なんらかのアクションを起こそうとしている、という運気、モチベーションがとても重要だと思う。

これは、彼らの年齢の人たちに、この年齢からまだまだ世界を変えられるという勇気を与えます。10年下のぼくらの年齢の人たちには、今の知見から未来を作るための重要な指針をくれると思います。そして、さらに10年下の年齢の人たちには、まず、こんな人たちがこの30年間で作ってきたソフトウェア工学とはなんだったのか、という学びの機会を与えると思うんです。。。。

スコットアンブラーは、逆に賛成の記事を書いています。(signatoris に入っていますから)

https://www.ibm.com/developerworks/mydeveloperworks/blogs/ambler/entry/semat_vision

「正しい課題意識。正しい人が入っている。そして、なんらかのアウトプットが出るだろう。」

semat は、今年3月に、チューリッヒで会合を持つ予定になっています。そこでどんなものが合意されるだろうか。。。とても楽しみです。

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