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DaaSを導入するメリットとは?

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先日は丸の内仲通りのイルミネーションのご紹介をしましたが、いまはあらゆる場所で巨大なクリスマスツリーを見ることができます。その中でも丸ビルのツリーはかなり特徴的ですので、お近くにお寄りの際はぜひ行ってみてください。

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今日は、仮想デスクトップをサービスとして提供するDaaSについてお話します。

仮想デスクトップのメリットとは?

企業ではIT社会の波に乗るために数多くの企業が様々なシステムを導入しています。システムを導入すれば様々なメリットを得ることができるので、仕事の業務効率化や従業員の負担削減、コスト削減など様々な効果を期待することができるでしょう。現在、パソコンで仕事をされている企業は少なくありませんが、今でもそれぞれの端末でデータを保存し、情報を管理しているところも少なくないでしょう。現在注目されているシステムの一つに仮想デスクトップ(Virtual Desktop Infrastructure : VDI)があります。この言葉を聞いて意味がわからない方もいるでしょうが、VDIとはユーザーはそれぞれの端末からサーバーで動作している仮想クライアントの画面イメージを見ることで業務を行う方法です。VDIを利用すればクライアント端末は機種や場所に依存せずに、例えばMac、Windows、アンドロイドタブレット、iPad、スマホなどの端末で、オフィスと同じ環境を持つことができます。

ではVDIを導入すればどのようなメリットを得ることができるのでしょうか。例えば事業基盤の確立に貢献してくれます。VDIを導入すれば、ネットワークが繋がる環境であればどこからでも仕事をすることができます。日本においては災害が発生することがあります。例えば台風は8月や9月に日本列島を横断する機会が多くなりますが、猛烈な台風が到来すれば交通網がまひしたりすることもあるでしょう。もし社内に電車で出社している方がいれば電車が動かないため、会社に出社することができない方もいます。それはバス、タクシーにおいても同様です。日本においては台風だけでなく、地震が発生することもあります。地震は予期せずに起こる災害です。例えば台風であれば天気予報などを見れば、どのぐらいの勢力の台風が到来するのかをあらかじめ知ることができます。そのため、猛烈な台風が来ることが予想されているのであれば、事前に対策をして出社することも可能でしょう。一方で地震においては予期せずに起こるため、交通網のまひなどを予測することができずに出社することができない社員が続出する可能性があります。もしこのような有事の際にもVDIを導入して、社員の自宅にネットワーク環境が構築されていれば自宅からサーバーにアクセスをして業務を継続することができます。そのため、有事の際にも進めているプロジェクトが停止する可能性が低くなるため、事業継続基盤の確立を期待することができるでしょう。

社外からアクセスすることができれば、営業の社員がいる企業でも従業員の負担を軽減することができます。企業の中には契約を取るために客先に足を運び、契約を取っている方もいます。基本的に営業活動をする時にはお客様の情報が記載されている資料などを持ち運び、一つ一つのご家庭や企業に足を運ぶことになります。もしDaaSを導入していれば、資料などを一元管理で常に最新の状態にしておくことも可能です。個人個人が最新に差し替える必要もなくなります。営業の方は、事前準備に必要な時間を短縮でき、サーバー上にアクセスをして最新の情報を閲覧することができるので、従業員の負担を軽減させられるでしょう。

VDIを導入してセキュリティの向上を図ろう

先ほども述べたように導入によって事業継続基盤の確立などを行えますが、その他にもVDIの導入はセキュリティの向上を期待することができます。ITの進歩は私たちの生活を便利にしてくれますが、データが危険性にさらされる可能性があります。例えばそれぞれの端末でデータを保管している企業では、もし社員が外部ディスクなどを使用して社内のパソコンのデータを盗まれて他の団体に流出させた場合、企業は多くの不利益を被ることになるでしょう。

もし大きなクライアントのデータを扱っている企業ではそれが流出するととても多くの損害を被ると共に、クライアントにも悪影響を与えてしまう可能性が高くなります。もし、VDIを導入すれば基本的にデータをそれぞれの端末で保管せずにクラウドサーバー上に保管するのでデータの持ち出しが容易でなくなります。そのため、一定の情報漏えい対策として効果を得ることができるでしょう。

また、クライアントOSのアップデートもVDIのテンプレートに対して行えば、クローンされたクライアントは最新の状態を保つことができます。また、ウィルススキャンやバックアップの設定もテンプレート化してしまえば、クライアント環境を一度に安全な状態にすることが可能となります。従来のクライアント環境の場合、各個人の裁量でセキュリティを担保しなければならず、どうしてもばらつきが発生してしまいます。これでは安全なIT環境とは決して言えないでしょう。このように、VDIはどこからでもオフィスと同じ環境を使えるだけではなく、セキュリティを確保しつつ、IT部門の負荷も軽減されることが期待できます。

DAASを導入するメリットとは?

このVDIをクラウドでサービス適用するプロバイダーが増えてきています。国内のネットワーク環境が発達してきて、Wi-FiがなくてもLTEなどの回線を使えば十分に仮想デスクトップを活用できることで更に加速しています。ただ、VDIのシステムを社内で構築するには多くの検討事項があり、なかなか踏み込めていない企業も多いようです。

  • インフラやライセンスのコストが高い:いくらクライアント端末が安くなっても、サーバー/ストレージのインフラコスト、ハイパーバイザー/仮想デスクトッププラットフォームのライセンスコストなどをひっくるめると、従来のクライアントよりもVDIのほうが初期コストは高くなってしまいます。
  • 仮想デスクトップの台数の増減が激しい:これは、サーバーをクラウドに移行する際にも同じようなことがいえますが、台数の増減が激しい環境の場合、最大数に合わせてインフラを用意するにはコスト高になってしまう可能性があります。クラウド型であれば、柔軟に契約台数を変更できます。
  • とりあえずお試しするのが難しい:一度始めてしまったら後戻りはできません。ただVDIはユーザー数が多く、ひとりひとりがどのような使い方をするかをIT部門が把握することが難しいため、予想もしない問題が発生する可能性があります。
  • サイジングが困難:実際どれだけ同時に多数のクライアントが負荷をかけてくるかを予測することが困難です。当初机上で考えた負荷でVDIを構築しても、例えば朝のクライアント起動に時間がかかってしまったりナで、思いもよらない性能問題が発生してしまいがちです。「VDIは遅い」というレッテルを張られてしまうことも多々あるようです。

b06bcf20b3f8091925a4c94dd34c958a_m.jpgクラウド型であれば、柔軟に契約台数を変更できますので、最初は少なく徐々に増やしていくことも自由ですし、その後減っても無駄は発生しません。またクラウド型のDaaSであればサイジングについてはプロバイダーに任せることができますので、心配の種も減るはずですね。

ティントリの仮想化ストレージを利用した仮想デスクトップサービスを提供しているプロバイダーとして、NTTネオメイトワールドビジネセンターがあります。ティントリの持つ、各仮想マシンごとの自動QoSを活かして、常に安定かつ高速なサービスが売りになっていますので、一度ご覧になってください。

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