無償ハイパーバイザーの本当の実力
皆さん、こんにちは。明日から3連休を控えて、ウキウキの金曜日ですね。皆さんは何をされますか？私は田舎に篭ってスローライフを送ろうかと思っています。今日は、仮想環境の土台となるハイパーバイザーのうち、無償で提供されているものがどれだけ使えるものなのかをご紹介しようと思います。
ハイパーバイザーとは、コンピュータを仮想化し、複数の異なるOSを並列に実行できるようにするソフトウェアのことを総称した言い方です。またハイパーバイザーは狭義には、OSに拠らずハードウェア上で直接動作し、実行されるOSがすべて仮想マシン上で動作するような制御プログラムのことを指し、XenやVMware ESX、Hyper-V、KVMなどがこれに該当する製品を提供しています。
通常の仮想化ではWindows、Mac OS、Linuxなどの基本となるOSがまずインストールされており、その上に仮想化ソフトをインストールし、さらに仮想化ソフトの中で別の仮想PCを動かすという3層構造を構築することが基本となるわけですが、ハイパーバイザー型はインストール直後から仮想PCのベースが実現することになるのが大きな特徴といえます。OSを必要としない分ハードウエア全体への負荷が大きく減少し、セットアップも非常に簡単であり、OSにまったく影響を受けないという大きなメリットが存在することになります。
■無償で使い比べて見れる点が秀逸
こうしたハイパーバイザーシステムは大手のメーカー各社から複数供給されていますが、驚くのはほとんどのメーカーが高機能のモデルを無償でインストールできるモデルを用意しており、お金をかけずに試してみることができるようにしているのです。しかもほとんどのベンダーはその性能やファンクションをほとんど制限していませんので、実際の有償モデルとほぼ同じ内容をひとつひとつ体験してみることができるようになっている点が非常に秀逸といえます。
提供するメーカーによってそのサービスの中身は少しずつ異なるものになりますが、どれもインフラストラクチャやアプリケーションのパフォーマンス、可用性、および効率性を最大限に引き出すして試してみることができるため、無償で試すことができることは子顧客にとって大きなインセンティブとなっているのです。
また複数のプロバイダーが無償で提供していますので、その気になれば使い比べてみることもできるのが大きな魅力となっています。
■最新版は特に使い勝手のいいものに
VMwareは仮想化の領域ではもっとも大きなシェアをもつ専業メーカーですが、こちらも最新のバージョンを無償で顧客に提供してくれています。このソフトを利用すれば、組み込みの管理ツールを実際に体験することが可能となります。仮想マシンを短時間に実際に作成し、プロビジョニングが可能となるのは大きなメリットといえます。また高度なメモリ管理も体験可能です。メモリーリソースのパフォーマンスの最適化を実際に確認することができれば、このプロダクトの優位性をしっかりと認識することが可能になります。さらに、物理ストレージの実際の容量を超えたストレージリソースの割り当ても可能になりますので、実際に利用することでその効率性を直に味わうことが可能となります。こうした機能をすべて無償で実際に動かして確認することができるというのはかなりプラスに働くプロモーションとなっており、書籍や文書で確認してきた内容を直に体験することができるという点ではIT業界の中でもかなり珍しいものということができそうです。これまで仮想化製品を触ったことがない方でも、これだけのフィーチャーを実際に利用してみることができれば、かなり深く内容を理解することができるはずです。さらに無償製品のインストールから設定をして実際に使ってみるまでの時間と手間が驚くほど少ないという点もきっと驚かれるはずです。
■仮想化は想像以上に普及している
これまでサーバーといえばオンプレミス上に設置して専門の管理者の下で厳格に運用されるものというイメージが定着していましたが、仮想化が普及するにつれて、こうしたサーバーのイメージは大きく変わりつつありますし、何よりクラウドが市場に浸透し、エンタープライズ系でも多くのユーザーがその利用をクラウドへと切り替え始めたあたりから、仮想化マシンというのはかなりポピュラーな製品になってきました。今ではもはや特別なものではなく、ハードウエアの環境を利用するときには当たり前の利用に近づきつつあり、ハイパーバイザーの無償利用機会が提供されているのもこうした市場背景に基づくものであることが容易に理解できます。
無償でインストールしたモデルはそのまま有償版へとアップグレートをすることが可能であり、納得すればそのまま利用していくことができるのもなかなかいい仕組みと言えます。
現在無償のモデルを提供しているのはVMwareのほかにXenServer （シトリックス）、Oracle VM Server （オラクル）Xen （Xen.org）、Hyper-V Server （マイクロソフト）などが揃っていますので、同一のサーバー環境で試してみることにより、個別商品の優位性や差別化ポイントなどもしっかりと把握することができるようになります。IT製品の中でもここまで多くのメーカーが無償のサービス品を提供しているのは、かなり珍しい状況であり、仮想化を考えるのであれば、一度は利用してみる価値のあるサービスであるということができそうです。