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中小企業診断士がリードするビジネスゲーム。自ら実践したリスキリング(学び直し)の体験談などご紹介いたします。

「リスク」っていうがよくわからないので調べてみた 〜リスク学があるらしい〜

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 リスクについて、ちょっと調べてみた。参考にしたは、まずこちら。日本リスク研究学会編『【増補改訂版】リスク学事典』である。専門でもなく引用ばかりになるが、折角なので備忘もかねてブログに残しておこうと思う。

 リスク学は、自然科学、社会科学の諸分野と比較しても、まだ「学」としての領域は発展途上にあるらしい。今回の自然災害や、人為的?とも見られる原発事故、情報セキュリティや投資やバブル崩壊や○○ショックと挙げられる経済活動、新種の伝染病など、リスクからイメージされる事象は非常に多い。

 この事典によると、広義の意味でリスクを次のように定義している。
 「人間の生命や経済活動にとって、望ましくない事象の発生の不確実さの程度およびその結果の大きさの程度」

 より、実務に近い?定義は・・・と思い、JISのハンドブック(58−4 リスクマネジメント)をあたってみた。すると、TR Q 0008:2003 で用語が定義されておりリスクとは、次のようになっていた。
 「事象の発生確率と事象の結果の組合せ。」

 要するに、広義には、事象が起こる程度とその影響の大きさによってはかられるという解釈が一般的なようだ。

 より狭義になると定義は異なってくるようだ。経営学、特にファイナンスであると、リスクとは散らばり度合いである。事象の発生確率の効用が推定可能であることが前提で、発生確率が推定できない場合にはそれは不確実性として区別していたりもする。しかし、生物・医学などの個別科学では、事象を発生させる可能性とやや曖昧な表現としていることもあるらしい。また、環境科学などでは、発生確率と発生による損失の大きさの積としているようだ。

 要するに、狭義には、議論の対象によって、定義が結構ちがうようだ。

 生物・医学 : 事象を発生させる可能性
 都市・環境 : 発生確率×損失の大きさ
 経済・経営 : 確率としての分散

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