Amazon Echoに気を取られてはいけません...
先週、Amazon Echo対抗で日本語AI官民で進めるって話がありました。以下のところにも書いたのですが、
よくみるともっと状況はまずいですね。
まず、ちょっとAmazon Echo, Echo dotがすでに販売されているところから整理してみましょう。遡ること数ヶ月といったところです。
2016/9/28 AIに関する歴史的な提携発表があり、そこにはSiriのAppleも日本企業もいない...
Facebook、Amazon、Google、IBM、MicrosoftがAIで歴史的な提携を発表
2016/11/28~2016/12/2 Amazon Web Servicesの年次イベントが開催されています。
Amazon re:Invent 2016で発表された新サービスと機能(AWS)
すでにこのイベントだけでApple, Google, IBM, Microsoftに匹敵してますよね。
そして、ここで重要な発表がありました。それはAmazon Lexです。このサービスはAmazon Alexa Skillsの自動音声認識、自然言語認識、会話形プログラミングコンセプトを実装している、そしてその中の機能にAmazon Pollyという24言語テキスト変換機能があり、すでに日本語が実装されています。
2016/12/2 Amazon Go 新しい店舗販売モデル(すでに実現レベル)が発表される
レジでの精算はもういらない:アマゾンの食料品店「Amazon Go」に行ってみた
Amazon Goは、スマホのQRコード読ませて会員制クラブに入るような感じでクレジット決済になっていました。まだまだ日本は現金決済という話もありますが、AppleがiPhone7で実現したようにSUICAのような電子マネーを使えるようにするとぐっと実現性が増しそうな気がします。Amazon自体は少店舗のみで、パテントで制覇することも考えられそうです。
2016/12/9 Amazon Dash Button発売
AWSでは一年前くらいからIoTデバイスとして紹介されてましたが、日本でもサービスが開始されました。ボタン一つでオーダーできる、日常品であれば超便利。買いに行くことすらしない、PCやスマホに向かうこともしない、これではドラッグストアなどの小売店舗は対抗するのは厳しいですよね。
2016/12/21 ホリデーシーズンでAmazon Echo dot売り切れ
如何に人気であったかですね。しかし、実体は前年比9倍の売上、510万個販売したという話も。(記事になってます)500万個以上を在庫するなんて普通考えられないでしょう。前年比9倍ですしね。難しいことは間違いないけど、レベルが違い過ぎますね。
2017/1/9~2017/1/13 CES 2017 Las Vegasで開催
「IoTコマース」時代到来。700ものAmazon Alexa搭載製品が登場した今年のCES
700ものAlexa搭載製品が発表されていて、主だったところでもLGの冷蔵庫、Lenovoのスピーカー(Echo)、フォードの車載などなど...これは驚きですよね、1年前なんて影も形も無いくらいだったのに。
2017/1/13 Amazonプライム会員向けカード発行開始
アメリカのAmazonが、プライム会員向けに年会費無料のブラックカードを発行開始!Amazonでのポイント還元率はなんと5%です。
これはまだ米国の話ですが、これも無いとは言えないですよね。日本のプライムカードは新しくなったばかりらしいですが、一年後はわからないですよね。今時日本に5%なんていう還元率のカード無いですよね。これはこのカードを持つためにプライム会員になる人が続出することが想像に難くないですよね。今の会費を引き上げられても。それくらい今のプライム会員ですらメリットありですからね。
2017/1/14 Amazonの独走に対して、競合がすることでしょうか。
この中にEchoがどんな場面で使われているのかがありますが、32%がAmazon Primeで買い物をしてるんですよね。これはAmazonという商店にEchoが直接つながっちゃてるからですよね。Amazon Dash Buttonよりも、何と何をいつまでにほしいなど喋るだけ、押すことすらしないで注文できるってことですよね。恐るべし...
と色々とAmazonの発表の流れを見てくると、AIで日本語云々というレベルよりももっと大きい範囲で考えないとまずいですね。すでにAmazonは日本で言うところの総合商社といった感じでしょうか。Eコマースあり、実店舗あり、金融カードあり、AIあり。CESの発表を見ても700も製品が発表されているので応用できる範囲も広すぎるでしょう。官民であがっていた企業は、車メーカー、家電メーカー、ITメーカー(ベンダー)と立派な企業が集まっていますが、Amazonが今や進出していてAIを駆使している市場はこんなものではないというのがわかると思います。ボタン一つで商品を注文できますし、これから冷蔵庫で足りないものを自動的に注文しておくとかもできるようになるでしょう。Amazonが日本で持っていないのはロジスティックスくらいなものではないでしょうか。日本という特殊性もあり、日本製品以外の家電はあまり普及していないのも事実ですが、ここまで便利になってくるとわからないですよね。スマホの例もありますし。ロジスティックスも米国ではドローン配送や無人配送、はたまた空中倉庫まで考えているようですしね。
自分で整理してみて驚いてしまいますが、黒船襲来どころの話ではないですね。黒船よりも怖いところは、見えているのに怖さが見えていないところでしょうか!?便利になるのはありがたいけれど、それだけではないですよね。
共存共栄できるように、官民+一般消費者含め未来に向けて頑張っていきたいですね。
「Amazon Echoに気を取られてはいけません...」と書きましたが、私がそもそもそういうことを書いてましたね。失礼しました。