Nokiaのデバイス事業部売却で主要携帯電話メーカーを(ほぼ)失う欧州
先週は欧州のテレコム業界にとって大きなニュースが相次いだ。まずはVodafoneによるVerizon Wireless株式の売却、そしてNokiaデバイス事業部のMicrosoftへの売却だ。オペレーターを中心としたモバイルの業界団体GSMA(MWC主催者でもある)がブリュッセルで開催した「GSMA Mobile 360」で、GSMA会長のFranco Bernabe氏(話題のTelecom Italiaのトップでもある)はこれらについて「欧州の通信業界にとってよくない」とするコメントをしたようだ。
通信関連の標準を多く策定し通信を重要な産業としてきた欧州だが、端末事業はSiemens、Ericssonなどグローバルブランドが撤退、Nokiaの端末事業がMicrosoftの下に入ることで大手は事実上なくなったようなもの(最近スマホに進出したArchos、Geekesphoneなどあるにはあるが)。GSMAは、オペレータ主導のアプリストアWholesale Applications Community(WAC)など米国企業に対抗しようと“業界全体”の取り組みを開始するが、多くは失敗している。
オペレーター側の懐事情も厳しく、米国などに比べるとLTEがなかなか進まない。これに輪をかけそうなのが、欧州委員会が進めている国際ローミング料金の撤廃だ(今週にもその草案が発表になる見込み、古い記事はこちらに)。その旗降り役となっているNeelie Kroes氏(デジタル戦略担当副委員長)もイベントに出席しており、Nokiaの決断に対して敬意を示したという。
Nokiaについては、モバイルマーケティング専門コンサルタントでNokiaとの関係も深かったTomi Ahonen氏が、Nokia愛にあふれるブログ記事を掲載している(SMS(フィンランドで発明された)送受信機能をすべての携帯電話に搭載したのがNokiaだった、大画面は実はNokiaの9000 Communicatorが最初だったとかQWERTYキーボードだってCommunicatorでやっていたとか、そんな話が出てきます)。Ahonen氏はElop氏がNokiaをダメにしたと考えているよう。
Elop氏はNokiaを危機から救い最大手携帯電話メーカーにしたJorma Ollila氏が選んだCEOだが、そこに至る経緯が記事になっている。地元紙の報道を報じたもので、Annsi Vanjoki氏に確定していたが1週間前に米国の投資家からのプレッシャーを受けてElop氏に急遽決定したということのよう。真実は分からないが。。。Vanjoki氏は次期CEO本命と言われており、Elop氏CEOが発表されるとすぐにNokiaを退職している。