マクドナルドをこよなく愛す
無線LANアクセスポイントに関する調査レポート(ITMediaさんのニュースはこちら)で欧州地区にアクセスポイントが多いとあるように、日本や米国に比べると出遅れた欧州だが、無線LANが普及してきたと思う。こと、“無料”で利用できる無線LANとなると、ひょっとすると日本より見つけやすいかもしれない(と、前回の帰省で思った)。
以前のエントリで書いたように、フランスでは、カフェ、ホテル、空港、駅、そして公共の建物などで無線LANが使える。私の場合、引越しのためにネット環境を失ったとき、足繁く通ったのはマクドナルドだった。ひょっとしてWiFiカフェが近くにあればそこに通ったと思うが、なにせ1日数時間・数回必要。私の場合、近くで無料で無線LANが使えるのはマクドナルドしかなかった。
フランスで生活している者としては、外国の外食産業よりも地元のカフェにお金を落としたいところ。実際、カフェも何度か利用した。だが、何日か経過して思ったのだが、マクドナルドの“どこかにある”“同じメニューと料金”というのは、非常に強いポイントだ。どこのマクドナルドのWiFiでも、毎回同じ画面からスタートする。最後の方になると、この画面が表示されると、Windowsのスタート画面並みの安心感を覚えた。この安心感と親近感、ネット難民には重要だった。
また、セルフサービスなので何時間いようと放っておいてくれること(カフェでも文句はいわれないが、ちょっと粘りすぎかなあ、と遠慮してしまう)もよかったし、見逃せない点はトイレが清潔である点(フランスでは清潔なトイレに出会える可能性は、日本よりはるかに低い)。しかも、多くのマクドナルドでは、アクセス状態が悪くなっても、近くにある別の無線を拾うことができた。後は、朝7時半から深夜までという営業時間も。
何日かすると、同じ時間に同じ人に会うようになった。また、電源で困ったときは、ある人が持っていた電源延長コードを3人で分け合ったこともあった。こうなってくると、ネット難民状態も結構楽しかった。
こうやって書きながら、以前バックパッカーとして旅行したときのことを思い出した。雨や寒さをしのいだり、ちょっと疲れた、座りたいなあと思うとき、よくマクドナルドでコーヒーを飲んだ。マクドナルドなら、各国で異なるチップの習慣を気にしなくていいし、料金も予想の範囲内だ。実は、ハンバーガーを最後に食べたのは学生の頃だと思うけど、こういう縁もあるのだなあ、と思ったり。
ところで、マクドナルドで無線LANが無料というのはフランスの話(また、マクドナルド全店舗にWiFiサービスがあるわけではない)で、ベルギー・ブリュッセルで入ったマクドナルドにはなかった。英国ロンドンでは、無料で利用できる無線LANが少ないような気がしたのだが、きちんと調べたわけではない(ロンドンでは、ノートPCの持込を禁止するネットカフェが増えている気がする)。なお、英国のニュースサイトで、ロンドン地区のホテルが提供する無線LANの料金が他の欧州諸国に比べ高いという記事があった。それによると、無線LANの欧州平均料金は1日21ユーロ、ロンドンではこの数字が29ユーロになるのだそうだ。2番目に高いのはドイツ・ミュンヘン、3番目はフランス・パリ。パリで滞在するホテルの無線LAN料金が高いと思われる方、マクドナルドをお勧めします。
*ここで詳細に書いても役に立つかどうかわかりませんが、左岸のマクドナルドの中ではDenfert Rochereau(ダンフェール・ロシェロー)が一番よかったです。店舗によってはWiFiの調子が悪いところもあったのですが、ここはいつも確実。電源も数カ所あるし、酔っ払いの人もみかけません。コーヒーだけなら、自動販売機があるので列に並ぶ必要もありません。