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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

困ったトムクルーズ(偽物)

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ミリタリ風Lotusバッジ  ゲッターさんに感動してもらえるようなグッズはないかなあとふと机の周辺に目をやると、ふとこのバッジが目に付いた。ミリタリ風ではあるが、手にしてみると安っぽい軽量である。あれ、なんだっけ。どこでもらったんだっけ。そして記憶の糸をたどる。

 確かトップガンがどうとか。LotusphereかDevConか。何年のだったっけ。そして徐々に思い出した。2001年6月のDevCon取材の時だ。私には最初で最後のベガス訪問である。昼間の外気は40度を軽く越えるほど暑かった。さすが砂漠の町だと痛感した。

入口には「TOP GUN TRAINING」と書かれた門がある  このバッジは基調講演前日の夜、いわゆるウェルカムパーティーのような場の入口で配られたものだ。入口に立てかけられた文化祭のような門にはTOP GUN TRAININGとあった。DevConとTOP GUNとの脈絡は全くもって不明である。いま思えばこれは9・11の3ヶ月前。平和だったのかなとも思う。

 その時はなぜか日本勢とはタイミングを逸してしまい、1人で会場に入った。食事にありつくためだ。食事を提供するテーブルには迷彩柄の飾りがあり、会場のテーブルにはおもちゃの飛行機が飾られていた(食事を終えるころには飛行機は参加者のおみやげとなり大半が消失していたが)。

 さらに雰囲気を醸し出すためか、つなぎの軍服っぽい人も何人か歩いていた。近くを通りかかったサングラスの男性がトムクルーズっぽかった、というか、本人がその気で歩いていたので「ねえ、トムクルーズ」と声をかけてみた。写真に撮り、土産にしようと思ったのだ。

May I take your picture?

 と聞いたら"Yes, you may"と重々しい声で返事をして、かつニンマリ笑ってこっちにやってきた。そしてひょいと私のカメラを同じテーブルの人に手渡した。そ、それ、私の…。そしてニコニコと私の肩に腕を回してカメラを持つ人に満身の笑みでポーズを取る。

 ちょっと待ってー。

 私は「あなたの写真を撮ってもいいですか」と聞いたのであって、「あなたと写真を撮ってもいいですか」なんて聞いていなーい。勝手に曲解するなー。英語が苦手な日本人が表現を間違えたと思っているのねー。私は正確な表現で意思を伝えたのにー(この時ばかりは)。

 と心の中で叫ぶも、確信犯的なトムクルーズはもう止められない。周囲の人も楽しそうに「撮るよ~」と言ってくる。ええい。私も笑顔で写真に写った。そして偽物のトムクルーズは去り、あっけにとられた私と写真が残った。もしかしてトムクルーズなんて呼びかけたから彼は有頂天になってしまったのだろうか。

 なんてことをバッジを見ながら思い出した。はあ(赤面)。

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