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「アップル・コンフィデンシャル」、もうひとつのスティーブ本。自伝と合わせて読んで欲しい。

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 Steve Jobs自伝読まれましたか?ぼくも読みました。公開されたスティーブの妹モナ・シンプソンの追悼記も重なって、最後のほうはさすがにウルウルしてしまった。何といっても最後までスティーブはスティーブであったということを知って少しホッとした。短気で怒りやすく、理不尽なことを押し通した人生は最後まで変わらなかった。誰も弱気で優しいスティーブなんか見たくないよね。

 ところで、もう一つのアップル本がある。「アップル・コンフィデンシャル」著者はOwen W. Linzmayer、1980年代からMac系の書籍や雑誌に執筆しているライターだ。1999年に初版が出て、2004年に改訂版が出ている。本書はその日本語版だ。日本版にはLinzmayerの書かなかったiPod誕生のころが加えられているが、それは蛇足として飛ばしてかまわない。アップル誕生の1971年から1998年ころまでの間のアップルの軌跡が丁寧に語られている。1998年はスティーブがアップルに戻ってきて、MacのOSをネクストベースのものに変えようとしている最中だがまだOSxとしては完成していないころだ。

 IsaacsonのSteve Jobsはスティーブに認められた唯一の公式自伝だということが売りだが、その分スティーブの呪縛に陥っているような気がする。スティーブは干渉しないと明言したそうだが、そうは言われても彼ほどの強烈な性格を持つ男の人生を生前に書くというのは全てのことが生々しすぎて難しいものだ。インタビューした多くの人たちもまだ若いし本音で語られないことも多かったはずだ。その点で、Linzmayerの本はスティーブのインタビューももちろんないし、あくまで客観的な事実を元に書かれている。iPodもiPhoneもiPadも出てこないので華やかさに欠けるが、その分アップルの本来持っている純粋な本質を捉えているようだ。

 アップルファン、スティーブファンに限らず、1970年代から80年代にかけて起きた奇跡のようなPCの誕生というムーブメントをぜひ共有して欲しい。なお本書は版元で在庫がなく、重版中である。今週には書店に並ぶしAmazonで買うこともできる。

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