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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

アメリカの2010年の音楽産業を見る。CD販売は減少を続け、ダウンロード販売は停滞している。一体何が起こっているのか?

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音楽データのダウンロードサービスにはいろいろな側面がある。通常のiTunesやAmazon MP3による音楽データの販売だけでなく、デジタル音楽には次のような配信がある。

アーティスト本人による無料配信
より多くの人に知ってもらうために作者自身が無償で楽曲を配信する例がある。

購読(Subscription)
iTunesやAmazon MP3では曲単位またはアルバム単位での購入ができる。一方、MagnatuneやNapsterまたはRhapsodyなどでは購読方式でサービスを提供している。そこでは固定額で無制限に楽曲のダウンロードができる。

クリエイティブ・コモンズ
一部のアーティストはクリエイティブ・コモンズのポリシーに基づいて楽曲を配信している。ここではアーティストは自分の曲の使われ方を細かに指定することができる。このポリシーに基づいて使われたり再配布される曲はすべて正当な利用にあたる。

不正ファイルシェアリング
CDなどからリッピングしたり、またはDRMフリーの曲をダウンロードしたものを作者の許諾を受けずに再配布したりする行為は不正な利用である。

2010年の米国音楽市場のデータが各所から発表されている。まとめるとCDやDVDの販売は引き続き落ち込み、デジタル配信が増えているが売上は停滞している。パッケージ系の販売とダウンロード系の販売は明らかに交差を初めている。ただし、難しいのはこういったデータの中に上記の数字をどのように加算するかということだろう。というか、実際にはこのような数字はほとんど考慮されていないだろう。もちろん不正な形でのダウンロードやシェアリングはこういった統計には乗らないし、それ以外の無料で配信されているものや、再配布が認められいるものなど、もともと統計には乗らないデータだ。

音楽市場の規模という時、通常は販売されているものの金額を測るし、数量で語る時も販売数が基準になる。ここ数年の市場を見るとCDが落ち込みデジタルはそれを補完できていない。これまでのメディアビジネスの常識から言えばあきらかにこれは市場の衰退である。しかしながら、最近の音楽市場を見ると、明確なビジネスモデルの変化が起こっている。CDやデジタルに拘らず楽曲データを売ることだけがビジネスではなく、関連する全ての要素を含めてビジネスとして考えようとしている。コンサート、イベント、TVや映画化、広告での利用、あらゆるグッズの販売など多岐に渡っている。CDを売ることやダウンロード配信を売ることは多くのビジネスチャンスの一つに過ぎず、コンサートやイベントへの集客の為ならば無償で新曲をダウンロードさせることなどは当然のこととなっている。

こうなってくると、CDやダウンロード販売の金額を測るだけではまことに片手落ちであろう。もっと広範囲な形で音楽産業の規模を測る必要がある。こういった先輩メディアである音楽産業の動きを通して見ると、出版業界はどう動くのだろうか?同じように推移しているとも言えるし音楽と出版の違いも明らかになってきている。(今日はここまで)

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