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新国でヴォツェックの公開ゲネプロを観る。新感覚の演出に感動。

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Ko_20001667_chirashiR0011215_3東フィルのバイオリニストの友達にチケットを貰い新国でヴォツェックの公開GP(ゲネプロ)を観た。まず新国のHPから概要を引用する。

バイエルン州立歌劇場との共同制作となる本演目。2008年11月にバイエルン州立歌劇場において初演され、非常に高い評価を得ました。演出のアンドレアス・クリーゲンブルクは数多くの演劇作品を演出していますが、本公演の成功で、今後はオペラ演出においても重要な存在になることでしょう。歌手陣は、本演目をレパートリーとしており、本役でヨーロッパの主要な歌劇場において高い評価を得た歌手を招聘いたしました。
1時間半全3幕の短いオペラでストーリーも単純なものだ。20世紀を代表する革新的なオペラと言われ、新ウイーン学派を代表するアルバンベルクの代表作だ。という知識はあったが実際の公演を観るのは始めてだった。

ヴォツェックは古くは中世から続くオペラの最終形と言われることもあるが、同時にここから始まる現代演劇の芽生えを感じる。自分には現代ドイツ語ミュージカル史上屈指のエリザベートを彷彿とさせた。1992年オペラ演出家として名高いハリー・クプファーの演出によりウイーンで初演されたミュージカルだ。日本では宝塚歌劇のヒットで有名で、一昨年にはウイーンから本場の公演が来日している。音楽はロックやジャズなどの要素も加えたものだが、根底に流れる音楽はシェーンベルクやベルク以来の新ウイーン学派を彷彿とさせるもので現代の不安を表現する効果が際立っている。ヴォツェックにしてもエリザベートにしてもストーリーの背景や演劇が作られた時代は違うが表しているのはそれぞれの時点での現代だ。今回のヴォツェックも現代人の不安をみごとに表現している。

今回の公演はバイエルン歌劇場との共同制作で2008年にミュンヘンで初演されたものだ。非常に凝った舞台に異様な姿の登場人物がベルクの無調音楽に乗せて不安を語る。本公演は今月の18、21、23、26日に新国立劇場で行われる。2枚目の写真は東京オペラシティの広場にあったクリスマスツリー。

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