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デジタルコンテンツ流通の潮流を見据えて

今、なぜか電子ペーパー読書端末が熱い。電気を使わない筈なのに。

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ブログ初心者としてはもっと軽い話題からスロースタートするつもりだったのが、最近の電子書籍端末の動きの激しさに思わずテーマとしては大き過ぎるのを承知で取り上げてしまった。もともと大変興味のある分野でもある。

アマゾンのKindleの発売以降暖かくなっていた電子ペーパー読書端末がここへ来て急に熱くなってきた。アマゾンが噂のKindle DXを発表すると、ニューヨークタイムズのような主要新聞社が記事の配信を表明したり、複数の大学が学生への教科書の配信に使うと発表したり、大変な盛り上がりをしめしている。Amazon、大画面の電子ブックリーダー「Kindle DX」を発表

日本では昨年、ソニーと松下が揃って電子読書端末ビジネスから撤退したばかりで、この手のビジネスには「羹に懲りて・・」の状態が続いている中でアメリカのダイナミックなビジネス展開には眼を見張るものがある。電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退

今回のニュースで自分を含めて皆の関心は電子ペーパーの技術や電子読書端末のハードウェアやソフトウェアではなく、電子書籍端末というビジネスモデルの完成度であろう。もちろんビジネスモデルの根幹には常に新しい技術があるのだが、今回に限って言えば技術ではなく純粋な意味でのビジネスモデルが問われている。いろいろな意味で既存のビジネスモデルが崩壊しつつある出版業界や新聞業界がこういった新しいビジネスモデルにどう立ち向かうのか。いずれにしても、これまでの紙を基本にしたビジネスモデルが急激に変革していく第二章の幕が切って落とされた。もちろん第一章はインターネットとブラウザー技術をベースにした既存メディアの受けた激震だ。

次回、「すべてはiPodから始まった」に続く

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