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因果関係を探る習慣の大切さ(後編)

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「わかりやすく書く技術」のトレーニングを行っている開米です。

前回はこちらのチャートのA、Bにそれぞれうまくはまるようなラベルをつけてみましょう、という宿題を出したところでした。

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<文章嫌いではすまされない! > エンジニアのための伝わる書き方講座  p.38)


Aの候補として考えられるのは、 「必要なリソース」 「技術的な効果」 「節約できるもの」 ・・・など。
Bの候補として考えられるのは、 「経営に与える影響」 「社会的な意味」 「ビジネス上の意義」 といったところでしょうか。

Aに「節約できるもの」を使うと、「コスト削減」もその「節約」の対象に入りそうなので紛らわしくなるため除外します。

次に、「必要なリソース」というのは「電力」と「スペース」をリソースと考えたラベリングですが、その「電力」「スペース」を手に入れるためにさらに「コスト」というリソースを投じているわけで、これも「コスト削減」を含んでしまいそうですね。

「技術的な効果」にはそれらの難点がありません。また、「効果」という言葉は「良い方向への変化」であるという印象を与えるのに対して、「必要なリソース」にはその印象がありません。この意味でも、「技術的な効果」のほうが良いでしょう。

一方Bのほうについて、「環境負荷を減らす」というのが近年社会的な要求になっている、ということを考えたのが「社会的な意味」というラベルですが、これを使うと「コスト削減」の意味合いが薄くなります。

「経営」と「ビジネス」はここではほぼ同じ意味に使えそうで、「影響」と「意義」では「意義」のほうがより「良い」変化であるというイメージがあります。(「悪い影響がある」という表現は成り立ちますが、「悪い意義がある」は成り立ちません。つまり、「意義」は良いことに限定して使われます)

「環境配慮」と「コスト削減」はどちらも良いことと言えるので、「意義」を使うほうが良いでしょう。

といったことを考えて「技術的な効果」と「ビジネス上の意義」を選択すると、こうなります。

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<文章嫌いではすまされない! > エンジニアのための伝わる書き方講座  p.38)

「ラベルをつけ」ようとすると、いろいろと考えることが出てくるわけですね。

候補をいくつか考えると、どれも一長一短あってなかなか迷うものですが、その「迷う」こと自体が大事です。その過程で問題についての理解が深まり、誤解の少ない言葉を慎重に選ぶ習慣と能力が育つからです。

以上、「因果関係を探る習慣の大切さ」シリーズ、これにて完結!

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