好奇心を育てる会社
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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
HopeLabという会社をご存じでしょうか?
恥ずかしながら、私も初めて耳にしたのですが、アメリカのNPOで、子供の運動する習慣を促進させるZamzee、ガン患者を支援するRe-mission 2という2つのゲームを制作している会社です。
Harvard Business Review / HBR Blog Networkでの以下の記事をご紹介します。
Four Ways to Cultivate a Culture of Curiosity
好奇心こそが文化
この会社で最も力を入れているのは好奇心という名の企業文化であり、かつその企業文化を強化するために、いろいろな工夫をこらしているとのこと。
"We look at our culture as a product, just like Re-Mission and Zamzee are products," says Pat Christen, president and CEO of HopeLab. "And we believe a culture of curiosity is key to innovation."
「我々はRe-MissionやZamzeeが製品であるのと同じように、企業文化も製品だととらえています」と会長兼CEOのPat Christen氏は語ります。「そして好奇心という文化こそがイノベーションの鍵だということを信じています。」
好奇心の育て方1: とことん突き詰めさせる (Encourage Inquiry)
HopeLabの製品はどれもが科学的な探求と研究に基づくものであり、それは絶えざる反復と実験の積み重ねによるもの。したがって、社員は常に新たな方法を探検し、仮説や自らの考えに挑戦していくことが求められます。
そうはいってもなかなか日頃の業務を行う中で、そういった根本的な疑問を抱くことは難しいのはHopeLab社でも同様。そこで、12のカテゴリに分けたカードを作成し、会議室や個々の机など社内あちこちに設置をして、事あるごとに社員が読み返すような環境作りをしているのだとか。
It can be hard to find time for reflection and conversation. But these tools help. Plus, "work is more rewarding when curiosity and discovery are embedded in it," Christen says.
物事を振り返ったり、きちんと対話をする時間を見つけるのは難しい。しかしこういったツールはその助けになる。さらに、「仕事は好奇心や発見があらかじめ埋め込まれていればこそ実り多いものになる」とChristen氏は言います。
好奇心の育て方2: 課題は問いで表現する
(Write Agendas as Questions)
どうやって会社の課題を社員に自分ごととして捉えてもらうか。そして前向きな発言を引き出すか。HopeLabではそのための方法として、全ての課題を問い/疑問形で定義することにしています。これはシンプルですが、いくらでも真似できそうですね。
"Everyone at the meeting is invited into the conversation to help us make sense of an issue, solve a problem or imagine a new area of opportunity," Christen explains. "We expect people to speak up ? to ask questions, share ideas and contribute."
「会議に参加する人は、課題をより明らかにしたり、問題を解決したり、新たな機会を想像したりするために対話に招かれているのです」とChristen氏は説明します。「我々は社員に声をあげてもらいたいのです―つまり、質問をしたり、アイデアをシェアしたり、アイデアを出したりすることで」
好奇心の育て方3: 決して非難しない (Avoid Blame)
過去にRe-Missionのバージョンアップをする際に、ユーザーの患者さんからの指摘がきっかけで大きなエラーが見つかったとのこと。すでに多額の予算をつぎ込んでいることから、通常だと犯人探しが始まるのが組織の常ではあるのですが、同社ではそんなことは決して起こさせなかったとのこと。
"There can be a 'villain, victim, hero' dynamic," she explains. "But when you recognize you're in that game, playing one of those roles, you have the choice to step off the triangle," and instead focus on moving forward.
「こうした場合、《ヒーローと悪役、そして被害者という三角関係の力学》が働きます」とChristen氏は説明します。「しかしもしそのようなゲームに自分が参加してしまっていると認識したら、そして自らがそのどれかの役割を担っていると認識したならば、その三角関係から降りるという選択肢もあるはずです」。そして物事を前に進めるために動き出すのです。
その結果、当初PCゲームとして開発されていたRe-Missionは複数のモバイルゲームとなり、多額の費用がかかったものの根本的な大失敗と比べるとコストは最小限で済んだそうです。
好奇心の育て方4: 学ぶこと自体に価値を置く
(Assume All Learning Is Good)
多くの会社では、会社側が研修プランを立ててトレーニングを提供したり、業務に関係あるコースを社内外に用意して、その費用を全額もしくは一部負担していたりするかと思います。実はHopeLabでも当初はそうしていたとのこと。しかし、Christen氏の以下の考えに基づき、その方針は変更となりました。
"I don't need a rationale. Just keep learning things."
「根拠など必要ない。ただひたすら学び続けるように。」
そしてどのような学習に対しても補助を出すようになりました。その結果、中には本来業務とは関係無い写真のクラスを取ることで、結果的に社内の専属カメラマンとして良質の写真を提供するようになり、外部への素材の支払コストが不要になったことも。
"If you're practicing curiosity, no matter what you're learning, I believe it will benefit the organization." Other employees have simply come to work more engaged and with more and better ideas.
「どんな内容の学習であれ、それが自身の好奇心を活用するものであれば、それは組織を利することになると信じています。」 そして他の社員もより溢れんばかりのやる気とより多くかつ良質なアイデアを会社に持ってきてくれます。
同社が事業として行っていることを鑑みるに、このように好奇心を企業文化として高めていくことは、彼らのミッションにも大きく繋がる合理的な方法であることがわかります。
"They recognize that how we show up to do the work we do is a manifestation of the values and the impact we hope to inspire in the world."
「理事会は、我々の〔好奇心を何より重んじた〕仕事への取り組み姿勢こそが、我々の提供価値の高らかな発露であり、世界に対して訴えたいインパクトそのものであることを正確に認識してくれているのです。」
老若男女の別を問わず、好奇心さえあれば、どんな仕事でもそれなりのレベルまでは達するはず。もし閉塞感に苛まれている組織であるとすれば、好奇心を取り戻させることが、その第一歩になるかもしれません。
お読みいただきありがとうございました!
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