オルタナティブ・ブログ > 未来の人事を見てみよう >

人事・組織領域を専門とする、クレイア・コンサルティングの広報・マーケティング担当です。人事・組織・マネジメント関連情報をお伝えします。人事やマネジメントの方々にとって、未来の組織を作り出す一助になれば大変うれしいです。

組織変革の勘どころ

»
クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
変革管理(change management)という分野があります。コンサルタント同士では"チェンマネ"と略して話される分野です。つまりは、企業などの組織に対して大きな改革・変革を企図し、それをいかに効果的・効率的に実現していくか、というところなのですが、あまり大々的な成功例を耳にしたことがありません(汗)。特に大きな変革であればあるほど難易度が上がるのですが、うまく変化を起こしていくには何をどう変える必要があるのか。Harvard Business Reviewで最近注目を集めていた2つの記事を手短に。


チェンマネ自体をチェンジすべき


Change Management Needs to Change

Ron Ashkenas氏の論考ですが、

The content of change management is reasonably correct, but the managerial capacity to implement it has been woefully underdeveloped.

チェンジマネジメントの内容はかなり正しいのだが、それを導入しようとするマネジメント側の能力が全くもって未開発なのだ。

といいます。なんでもチェンジマネジメント系の本はAmazonで見るかぎり83,000冊以上は出ているにも関わらず、その失敗率は60-70%と非常に高い。

instead of strengthening managers' ability to manage change, we've instead allowed managers to outsource change management to HR specialists and consultants instead of taking accountability themselves ? an approach that often doesn't work.

変革を管理するためのマネージャーの能力を高めていく代わりに、我々はマネージャーがチェンジマネジメントの施策を人事やコンサルタントにアウトソースしてしまい、自分たちが責任を持って実施しない事態を看過してしまっていた。このアプローチはたいていの場合うまく働かないのだ。


誰も変わりたくなどない


ではどうすればいいのか。続いてDaniel Markovitz氏の論考です。

No One Likes to Be Changed

A far more effective approach would be to actually involve workers in solving business problems.

より効果的なアプローチは、実際のビジネス上の課題を解決する過程に社員を巻き込んでいくことだ。

具体的には、

the autonomy and skill development that comes with solving problems for oneself will do more to overcome resistance and motivate change than any strategy a cloistered HR professional or consultant can develop.

自分ごととして問題解決をする際の自主性やスキルの習得こそが、抵抗意識を克服し変化に対するモチベーションを高めていく。これは現実を知らない人事のプロフェッショナルやコンサルタントが作るどんな戦略よりも効果が高い。

とのこと。

当社がコンサルティングファームであるがゆえに代弁するわけではないのですが、最も重要なのは、現場のニーズに沿って、現場の人たちが「自分ごと」として変化の輪に加わっていくよう、マネジメントと人事と現場とが力を合わせて場を作り上げていくことに他ならないように思います。


それぞれのエントリには該当する事例も記載されていますので、ご興味のある方は是非原文をご覧ください。お読みいただきありがとうございます!


Comment(0)