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企業は社員の退職理由を全くわかっていない、という調査結果

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。
本日のエントリは人事系メディアの王道、TLNTより。
Derek Irvine氏による、CFO Magazineでまとめられた調査結果のご紹介です。


Why Employees Leave: It Comes Down to a Stressful Work Environment
なぜ社員は辞めるのか: 全てはストレスフルな仕事環境に起因する


企業、特に人事は、会社のことは何でもわかっている"はず"なのですが、実際はなかなかそうはうまくいかないところ。
中には意識調査を行ったり、全社員にヒアリングを行ったりしている会社もあるのですが、それでも真相をうまく掴むことは至難の業です。

To retain key employees, you must listen closely to what their top concerns are and not make assumptions based on your own.

重要な社員を引き留めるためには、彼らが懸案と感じていることが何かをきちんと聴き、自分自身の考えを元に仮説を立てることを止める必要がある。

とはいえ、真相は、対象となる社員が辞める際の退職者面談(exit interview)で明らかにならないケースが多いのは、人事としては周知の事実でもあります。
自分が対象者なら、なかなか本音は言いたくありませんもんね。

ということで、アメリカCFO Magazineの記事で、調査から抽出された、企業(人事)と従業員それぞれの思惑が紹介されています。

HR's view on why high performers would leave:
人事から見た、高業績者が辞める理由:


  1. Opportunities for promotion 昇進昇格の可能性(が低い)

  2. Career development opportunity キャリア開発の機会(が少ない)

  3. Base pay 基本給(が低い)

  4. Relationship with the supervisor 上司との関係性(が悪い)

  5. Incentive pay opportunity インセンティブなどの機会(が少ない)

一方、

Employees' view on why they would leave:
従業員から見た、退職理由:


  1. Work-related stress 仕事に起因するストレス

  2. Getting promoted 昇進昇格したことによる

  3. Base pay 基本給(が低い)

  4. Trust/confidence in management マネジメントに対する信頼/信用(が無い)

  5. Length of commute 通勤時間(が長い)

ずいぶん違いますね。。。特に

The number one reason employees would leave - stress - doesn't even appear on the HR professional list.

従業員が退職する理由の一番目 ― ストレス ― については人事側のリストに表れてさえいない。

この点は重要かと思われます。

Irvine氏は、この調査結果や昨今の雇用情勢から、次の二点について警鐘を鳴らしています。

  1. Are you truly considering what is most concerning to your employees, not what is most concerning to you?

    社員が何に関心を持っているか、本当によく考えているか?自分の考えだけにとらわれていないか?


  2. Have you become complacent, thinking employees won't leave because of the tough job market?

    現在の厳しい転職市場の状況を踏まえて、社員が退職しないと楽観視しすぎていないか?

特に2点目については、当てはまるのはローパフォーマーだけで、高業績者はいくらでも転職できる、との見方を示しています。

自社の社員について、正確なところを把握できていますか?
お読みいただきありがとうございました!



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