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とあるサービスの障害対応のヤバさに感じる「もみ消させない」体制の重要性

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僕達の会社では情報共有のために、とあるサービスを使っています。名前は伏せておきますが、みんなが好き勝手なことを専用のWebサイト上で言い合える、企業向けに特化したサービスです。

単純な仕組みではありますが、遠く離れた舞鶴にオフィスがある事もあって、このサービスによる情報共有は、毎日の仕事に欠かせないものとなっています。で、先日そのサイトを開いた社員の一人が「波多野さん、 背景画像変えました?」と聞いて来ました。

え?変えてないよ、と見ると、確かに背景色が見たこともないオシャレな青空になっています。 いや、それどころか、本来であればウチの社名が書かれているはずの場所にバーンと「Welcome to (某都市型複合施設)」という文字が踊ってるじゃないですか。なんじゃこれ!

2011/365/187 I *am* Sharing
2011/365/187 I *am* Sharing / cogdogblog

「(某都市型複合施設)」の部分は本当は時代の最先端を行くオシャレな施設の正式名称なんですが、もちろん我が社がこんなオシャレ施設と関係があるわけでもなく、この名前がここに出てくるのは明らかな異常事態です。

そのオシャレ施設名のもと、ウチの社員達は「肋骨が折れた...」「えー!! なんで?」「山にクワガタを採りに行ってたら滑落して...」などと呑気な会話を繰り広げています。しかしこの状況では、こんな会話が別の組織のタイムラインにバンバン表示されてしまってるなんて事もありそうなので、早速サイト内に用意された連絡フォームから、運営元に障害報告を投稿しました。

復旧に至る過程がヤバイ

その後、こちらへの連絡無しにいきなり復旧が始まります。

まず真っ先に「Welcome to (某都市型複合施設)」の文字が消えましたが、同時に突然サイトの背景が真っ白に。一番致命的な「某都市型複合施設」部分をとにかく削除してみたら、同時にCSSが無効になっちゃった、みたいな感じです。

その後しばらくみていると今度は背景が復活して、ほどなくウチの社名である「コラボリズム様」の部分が復元されてと、そのような経過で復旧は完了しましたが、復旧手順がモロわかりで気持ち悪かったです。

連絡をくれた上でウチのアクセス止めて作業してくれれば良かったのに。

その後の対応がヤバイ

さらに気になるのはその後の対応です。今回の事象って、たぶん別のお客さん向けのサイトデザインが何らかのミスでウチに流れてしまったという問題で、コンプライアンス的にかなりヤバイ訳ですから、原因についてきちっと報告し、対策を示す事が企業としての信頼を繋ぐ唯一の方法だと思うのです。

でも、結果として運営元から届いたのは営業からの10行ほどの簡潔なメールだけでした。あっさりしてるなあ...

この対応を見て、僕は「この事案、サービスの責任者は知らないんじゃないか?」と感じました。営業の人から届いたメールはCCが全く入ってないし、復旧対応もガチャガチャだったし。責任者に報告せずに現場レベルでもみ消しちゃった線が濃厚です。

だとすると、1番危険なのはこの「責任者が問題を知り得ていない」という事実ですね。

障害対応では、時には目先の損得を超えて物事を判断しないといけません。だから重要な障害が責任者にスムーズに届く事はサービスの提供者にとって必須であるし、それこそがサービスを継続的に強化していくための重要なキーだと思うのです。でも、この組織にはその仕組がなんらかの原因で失われているのだなあ。

便利に使わせてもらってただけに残念なんですが、とりあえず引っ越しかな、と思っています。


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