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社内SLAでモンスターユーザーをマネジメントする

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「サーキットを走るにも、コンビニに行くにもベンツを使う乗る必要はありません。サーキットはF1で。コンビニには自転車で行けば充分です」。これは以前タンデムコンピューターズで当時の高柳社長が良く言っていた言葉です。だからサーキットを走るにはベンツではなくて、F1を選ぶべきだと。

しかし、あえてコンビニに行くのに自転車を選ぶもまた、重要な選択です。用途に応じた最適なITインフラを選択する事はITコストの削減の重要な手段です。

SLAは、ユーザーがアウトソーシングベンダーとの契約の際にサービスレベルを明確にするための契約ですが、社内のITサービスに対してもSLAを締結する事は重要です。最近ではITコストを各事業部毎に付け替えをしてる情報システム部門も多いのではないかと思います。この際には社内とはいえ、IT部門が提供するサービス品質が費用的に適切か判断するためにも、SLAの締結が重要になります。しかし、更に重要な事は、社内SLAの締結がユーザーからの過剰なITサービスへの要求を防ぐ事になる事です。

企業には絶対に止められないシステムもあれば、ちょっとくらい止まっても構わないシステムもあります。またデーターがきちんと整合性がとれている必要があるシステムもあれば、多少の重複が許容されるシステムもあります。全ては業務に依存しているわけです。

しかし、事業部門は全てのITサービスに対して最高レベルのサービスレベルを求めてきがちです。しかし例えば99.5%のSLAの実現にかかるシステムの冗長化構成と、99.9%のSLAを維持するのに必要な冗長化構成には、約2倍の費用の差があると言われています。99.99%のSLAとBCPを実現するには、さらに膨大な費用が必要とされてきます。ITサービスコスト削減のためには、重要度に応じて手を抜く部分は手を抜いて、必要性のあまり高くないシステムのサービスレベルを、あえて低く設定する事が重要です。

そのためにも各ITサービス毎のSLAを各事業部と事前に取り決めておくことが重要になります。モンスターユーザーの言いなりにシステムを構築して、しかしコストを削減しろといった無茶な要求を適切にコントロールするためにも、社内SLAの締結は重要になります。そしてSLAレベルに応じたITインフラの設計もIT部門には求められて来ます。

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