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プロジェクト管理・ポートフォリオ管理ツールの活用方法を中心に、IT投資管理の考え方をご紹介して行きます。

何を辞めて、何に投資をするべきか

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膨大な IT 固定費を削減し投資を最適化するには、使用頻度や重要性が低いシステムは廃止し、そしてそのコストをより戦略的なプロジェクトに対して投資するべきです。IT 投資は関連性を持つ複数のシステムへの分散投資です。投資の様々な組み合わせの中から限られた予算内で、企業戦略に最も近い投資の組み合わせ「IT 投資ポートフォリオ」を作成する事が必要になります。膨大なシステムからどのシステムを停止するのか、あるいは膨大な新規プロジェクト予算要求の中からどのプロジェクトを選択するのか。これらの意思決定を行うには、ポートフォリオの構築が重要です。

既存の全システム・プロジェクトの中から、企業戦略とのマッチングや、NPV や ROI などのプロジェクト予算などの判断基準となる数値をマッピングして、投資判断基準を可視化します。IT システムを1つ1つを個別に評価するのではなく、その集合全体 (ポートフォリオ) でのバランスを考慮に入れて分析・検討を行い、合理的な取捨選択・優先順位を導き出して、最適な IT 投資の意思決定を図る事がアプリケーションポートフォリオ管理です。既存システムのポートフォリオは評価軸としてコスト効率が必要となりますし、新規プロジェクトのポートフォリオの場合には売上増大効果や人員削減効果などが評価軸になってくるでしょう。ポートフォリオは目的別に作成し、どのシステムどのプロジェクトを優先するのかを総合的に判断する事が必要です。

また定期的にポートフォリオを見直す事で、企業戦略に迅速に IT 投資を対応させる事が可能になります。 IT 投資戦略は極めて重要です。現代では IT の活用無しには他社との競争を勝ち抜く事は出来ません。しかし IT のコストは膨大ですし、経営資源は有限です。限られた経営資源の中から、戦略的な IT 投資を立案し運用していくためには、個々の IT 投資対効果をきちんと評価する事が重要です。

経済環境は急激に変化しており、そのスピードは年々早まっています。企業経営もまた経済状況に応じて迅速な対応が求められています。
そして IT もそのスピードに追いつく事が必要です。これまでのように年初に一度予算配分を決めたら、一年間その予算を維持するのではなく、例えば四半期毎に、戦略に応じた IT ポートフォリオの組み換えがなされてしかるべきです。

また各プロジェクトも継続的に効果を監視する事が必要になります。3年間開発して来たがまだカットオーバーしないシステム、すでに経済状況が変化しておりそのシステムそのものの必要性が疑問なシステム。このような IT 投資を早期に停止するためにも、計画に対しての進捗を可視化するプロジェクト管理システムと、IT ポートフォリオにおけるプロジェクトの位置づけを監視する、プロジェクトポートフォリオ管理システムの有機的な連携と、それぞれの KPI を連携した投資判断が必要となります。

IT の投資対効果を測るためには様々な指標があります。しかし一般的に日本企業においては、IT は入れたら終わりで、きちんとその効果が測定がなされる事はまれです。現在では民間企業の設備投資の四分の一を占めるまでになった IT 投資の投資対効果が、きちんと計測されていない事は企業のガバナンス上の課題でもありますし、さらなるIT戦略投資を促進する上での課題でもあります。 IT がどれだけ利益に寄与したのか、あるいはどれだけコスト削減に寄与したのかの判断基準を作成する事は重要です。

この際に重要な事は戦略的な投資とインフラ維持のためのコストを分離して、それぞれを評価することです。評価指標としては、「NPV 法」「DCF 法」「IRR 法」「ROI 法」などがあります。しかしいずれにしても、IT の効果を明確に算出する事は極めて困難です。従ってあまりこれらの調査に時間とコストを掛ける事は適切とは言えません。システムがどれだけ役に立っているのか、どれだけ業務効率を上げたのか、どれだけコストを削減したのか、ユーザーの満足度はどうかなど、全社で共通化した指標を予め作成しておき、その指標に対して、例えばシステムログから自動算出される値を元に、デジタルにシステム利用率やスループットなどの数値など、できるだけシンプルな KPI を設定する方がよいかと思います。投資対公開を可視化する事で、削減すべきシステムが明確化されてきます。

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