クラウドファンディングでコミュニティジャーナリズムを実現する『spot.us』とフリージャーナリストとメディアをつなぐサービス『Ebyline』
私たちは、毎日さまざまな情報に触れています。それはたとえば、新聞やネットメディア、テレビ、SNSなど媒体も情報の量も質も異なります。そんな中で情報を取捨選択し、自分にとって大事な情報を受け取っています。しかし、時に知りたいことがメディアに載っていない、もしくはもっともっと詳細が知りたいということもあるかもしれません。
そこで今回は、ジャーナリズムとクラウドファンディングが組み合わさったサービス『Spot.us』、フリーランスジャーナリストとメディアのためのクラウドソーシング&コラボレーションサービス『Ebyline』を紹介します。
1. 『Spot.us』
『Spot.us』は、市民自身やジャーナリストが記事アイデアを売り込み(提案し)、それに対し、地域の人々がクラウドファンディングのし組を通じて出資するというコミュニティ・ジャーナリズムサービスです。読みたいことをアイデアとして提案し、読みたいものにお金を出し、ローカルメディアが記事をつくり、元々小さなアイデアだったものが実際に読むことができるようになるという素晴らしい仕組みです。記事はまず、Spot.usで公開され、その後ローカルメディアと協力し、もっと多くの人に読んでもらうためにするという流れになります。
現在では、13,000以上の市民に支えられ、110以上のメディアと協力して機能している非営利のジャーナリズムのプラットフォームとなっています。簡単に言えば、「何を伝えるか」を市民が決め、「どのように伝えるか」をプロのジャーナリストが受け持つ仕組みになっています。これによって、今まで表に出ていなかったり、これまでに語られていない記事がクラウドファンディングによって生まれることになります。
【成立したプロジェクト例】
■Story: California’s Haphazard Fight Against Human Trafficking(カリフォルニアでの人身売買について)
■Story: Reporting from UN Climate Change Negotiations and Protests in South Africa(気候変動サミットのレポート)
2. 『Ebyline』
(via http://www.markosweb.com/www/ebyline.com/)
『Ebyline』は、新聞社や出版社が、フリーランスのジャーナリストとコラボレーションしてコンテンツを生み出していくサービスです。こちらは、spot.usとは違い、クラウドソーシングを通じてフリーランス・ジャーナリズムを生みだしていくものです。
利用するのは主にフリーランスのジャーナリストと、出版社などのメディアで、フリーランスは記事を書いたり、出版社に自分自身を売り込んだり、記事コンテンツを売ったりすることができます。一方、出版社は優秀なジャーナリストを見つけ、アプローチしたり、記事コンテンツの売り買いが行えます。
Ebyline Blogでは、このサービスを通じて、生まれたニュース記事を読むことができます。
以上ジャーナリズムに関する2つのサービスの紹介でした。この他例えば、韓国で生まれた市民ジャーナリズムとして有名なオーマイニュースでは、プロでない一般市民が記事を書いて運営していました。しかし、この2つサービスでは、「質の高いコンテンツ」を「ジャーナリスト/メディアが編集と発信」し、「市民のニーズ」に答えていく形であるということで、これまでの市民ジャーナリズムのメディアとの違いは大きいと思います。
Spot.usは「コミュニティ・ジャーナリズム」、Ebylineは「フリーランス・ジャーナリズム」と、日本でもキーワードになっていることを既に行っているサービスなのでぜひぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
【登場したサービス】
■Spot.us:http://spot.us/
■Ebyline:https://www.ebyline.com/