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科学リサーチを後押しする、海外のアカデミッククラウドファンディングサービス3選と3つのポイント

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クラウドファンディングと聞くとチャリティやクリエイター支援の分野が日本では主ですが、海外では様々な分野に特化したサービスができており、プロジェクトも立ち上がっています。そこで今回は、誰もが科学リサーチを応援することができる、海外のクラウドファンディングサービス3つとそれらに関するポイントや課題を3つにまとめて紹介してみようと思います。

1.『Microryza
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「Mycroryza」は、研究者や科学者からなるクラウドファンディングサービスで、主に若い人の行う科学リサーチ/プロジェクトの資金調達を目的としています。

【プロジェクト例】

■Butterfly-bush(フジウツギ)の進化と多様性を探る調査
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●目標金額–$1,725
●現在–$256

Butterfly-bushという植物は、庭などによくあるそうですが、世界中には100種もあるとのこと。この植物がどのように進化し、多能化していったのかを突き止めることがこのプロジェクトの目的となっています。

via Next Web&GeekWire

2.『Petridish
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「Petridish」は主に、世界的に名の知れた研究者/科学者たちが、リサーチプロジェクトを行う際の資金を集めるために利用されています。


【プロジェクト例】

■毒を持つカエルの理解と保護(Understanding and saving poison frogs)
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●設定金額-$2,000
●現在-$26,00(支援者22名)
支援者へのお返し:写真付きのメール/写真のマグネット/リサーチ結果を基にしたセミナー・・・など。


■マダガスカルの新種のアリの調査(New species of ants in Madagascar)
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●設定金額-$10,000
●現在-$10,200(支援者94名)
支援者へのお返し:プロジェクトの最新情報/小石/写真/ジャーナル記事での賛辞/サイエンスツアー/新種アリに支援者の名前をつける・・・など。

3.「#SciFund Challenge
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「#SciFund Challenge」は、既存のクラウドファンディングサービスであるRocketHubにページを設けている科学的なプロジェクトに資金調達を募るというものです。

【プロジェクト例】

■ジョンをジャングルに送ろうプロジェクト
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・カリフォルニアの大学院の博士課程、考古学専攻にいるジョンが、博士論文のためにメキシコ・ユカタン半島でのフィールドワーク資金を集めるプロジェクトです。具体的には、フィールドワークを通じたマップ作成、聞き取り調査など。
●目標金額−$1,000(達成)

■ウミガメの生態系リサーチ
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●目標金額–$2,500
●達成金額–$3,200
こちらも大学院生のプロジェクトで、絶滅危機にあるウミガメの生態系のリサーチをするために資金調達しようとするもの。


以上3つサービスと事例を紹介しましたが、アカデミック系のクラウドファンディングサービスに関する3つのポイント/課題を提示してみようと思います。

1.支援者へのリターンが魅力に欠けるプロジェクトが多い。
リターン例として、メールやメルマガ、現地で見つけたものやセミナーなどがありますが少し単調な印象を受けます。一方で、フィールドワークに同行できることや見つけた生物のネーミングの権利などはユニークで惹き付けられるものがあるので、この種のサービスには共通することですがリターンの魅力は重要だと思いました。

2.サービス自体の成熟、認知を上げていくことが難しい。
生物学や物理学、科学などの理系分野、考古学、史学、文学などの文系分など非常にニッチな分野の資金調達であることは明らかなのでよほど知的好奇心をくすぐらない限り、なかなか前述の分野に関心のない人は参加しようと思わないでしょう。しかし、どのようにサービスを成熟させ、認知度アップを図っていくのかには興味がありますし、アカデミックの波を広げていく価値あるサービス群だと思いました。

3.プロジェクトの結果が分かりづらい。
紹介したサービスで行われているプロジェクトは、主に科学リサーチ分野のものが多くみられるので、そのプロジェクトの結果が見えにくいと感じました。「〜のリサーチ」、「〜の保護」など結果よりもプロセスを行うものが多いので、その点はチャリティやクリエイター支援のサービスと違っていて面白いですが、プロジェクトの成功にはなかなかつながらないと思います。実際、プロジェクトを見たところ、約1割程度のプロジェクトが成功と低成功率になっていることからも分かります。この点はこれからも注視していきたいです。


まだ日本ではクラウドファンディングと言えば、チャリティ/クリエイター支援の分野が主であるので、理系や先端技術の分野ではこのような取り組みが行われていません。加えて、チャリティやクリエイター支援と比べて、支援者へのお返しの部分で少し見劣ってしまうという点がありますが、支援されるべき重要な分野だと思います。また、一般の人をアカデミックの分野につなげることができる新しい可能性のあるクラウドファンディングサービスだと思い可能性を感じたので紹介しました。

ぜひ感想や意見などどんどんシェアしていただけたら嬉しいです。

【登場したサービス】
■Microryza:https://www.microryza.com/

■Petridish:http://www.petridish.org/

■#SciFund Challenge:http://scifundchallenge.org/

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