電子辞書のABC
クレジット・カードのポイント何年分かを貯めたままで放置していたら、あと少しでその一部は失効すると注意を促すメールを受け取った。これといってピンと来るものは無かったのだが、もったいないからと景品カタログを見て電子辞書に交換することにした。僕自身は辞書に関する限りどちらかと言うとローテク志向であり、使いづらそうだという、電子辞書に対する勝手な先入観を持っている。一方でちょっとした調べ物をする際には、インターネットのオンライン辞書で済ませてしまうこともある。ただ娘が国語辞典や漢字辞典で調べものをするのに、重い本を引きずり出すことなく済むのであれば便利かもしれないと思った次第である。使い勝手やスペックなど詳しい点は不明だが、どのみちタダなんだからまあいいだろう。
到着した機器を開梱してまず「あれえ」と思ったのは、そのキーボードである。慣れていない人を対象にしているのかもしれないが、アルファベットのキー配列がABC順ではかえって戸惑ってしまう。一方ひらがなが50音順なのは助かるが。電子辞書ってそもそもこういうものだったのかしらんと、近くの大型電器店に出かけたついでに何機種かをチェックしてみたが、キーがABC順配列になっているものはほとんど見当たらない。こういうマイナーな機種だから売れ残ってしまい、ポイント交換用に使われているのだろうか、などと勘繰りたくなる。ただ主な使用者は娘だし、当面は英単語を引くことなんてまずないだろうから、アルファベット順配列は必ずしもマイナスだと決め付ける必要はない。
さて国語辞典としてはどうだろうか。娘がたまたま「もっとも」という言葉を調べようとして、単語を入力したらいくつかの候補が漢字付きで表示された。要するに「最も」なのか「尤も」なのか、はたまた「もっともな」という語句の一部なのか、どれを調べたいのか特定せよと言うわけだ。語句の一部でないことは明らかであるにしても、原文にはひらがなで表記してあるので、見た目だけでは二種類の漢字どちらの意味を拾ったらよいのかわからない。一つ調べて元に戻って、また次を調べるという具合に見て判断するしかないらしい。同時に見比べながら適切な方を選択するといった事ができず、面倒を感じた娘は結局重い本の辞書を引きずり出したのである。
たまたま手に入れた機種に、複数の単語の意味を一覧表示するための機能が不足していたのだろうか。他機種におけるこのあたりの使い勝手をわざわざ調べに行くのも面倒なので、今のところ放置してある。軽くて持ち運びやすいことには異論はないが、学習用途という点においてはあまり適しているとは言えなさそうだ。結局僕がインターネットでちょこっと単語の意味を調べるにあたって、その代用品として使うのが主な用途になりそうだ。