コクヨ社のオフィスに見るワークスタイルの姿
先日、縁があってコクヨさんのオフィスを見学し、コクヨさんのビジネスや哲学について色々とお話を聞く機会がありました。これがまた非常に面白い内容だったため、こちらでもご紹介したいと思います。盛りだくさんかつ続きのある内容であるため、先ずはここに至るまでと全体的なお話をさせていただきます。
▼何故コクヨさん?
コクヨさんといえば文房具のイメージが強い企業ですが、事業としては文房具などのステーショナリーと、オフィス周りのビジネス(オフィスデザイン、フリーアドレスの導入、オフィス家具などなど)の二本柱で構成されている企業です。
元々私自身が「テクノロジーとワークスタイル」をテーマにしている関係で「オフィスをうまく活用して組織のパフォーマンスを高める」というビジネスにも関心がありました。例えばオフィス設計に関する下記の記事からも、オフィス設計が組織のパフォーマンスにある程度つながることが感じられます。
社内SNSによるコラボレーション、それによる組織のパフォーマンス向上を考える身としましては、「オフラインでの交流の場がオフィス、オンラインの交流の場が社内SNS」という捉え方が出来、それらの両方をうまくデザインして活用していく必要があると最近感じています。
そんな中お会いすることが出来たのが、今回色々とご案内いただくことになりましたコクヨファニチャー株式会社の山下正太郎さんです。山下さんはコクヨファニチャーでオフィス関連のコンサルティングをされており、山下さんの役職も「ワークスタイル・コンサルタント」であり、「どう働くか」という観点から組織の課題を解決するプロフェッショナルの方であると言えます。
コクヨファニチャー株式会社
コクヨファニチャーさんのメディア ”WORK SIGHT"
▼”固いタマゴから熟れたアボガドへ”
この山下さんとお会いし、オフィスを見学してお話をお伺いすることも出来ました。コクヨさんは関東では大きく2つのオフィスがあるそうなのですが、先ず谷口は霞が関のオフィスを見学させていただきました。この霞が関ライブオフィスについては是非下記のページも併せてご覧ください。(ちなみに今月末には品川のオフィスを見学させていただく予定です)
山下さんが考えるオフィスの今後についておっしゃっていたのは、”タマゴから熟れたアボガドへ”というコンセプト。「課題に対して、解決するための社内リソースに限界がある。そのため、今までは全ての資産を社内に閉じて囲んでいたが、これからは囲むべき資産(機密情報など)はしっかりと囲んで外部に対してオープンに組織を開いていくことが必要になってきている。」とのことでした。これがまさにタマゴからアボガドのイメージである、とのことで面白い表現だなと思いました。
オフィスの中には、五感を刺激するエントランス(入ると集中力を刺激するような香りがしました!)、エコとクリエイティビティをテーマにした様々な仕掛け(TBWA博報堂さんのオフィスも話題とのことですが、ここのテーマは”創造的破壊”だそう!)、ホワイトボードのメモは次の人が使うまで消さない(それによって社内で何が起きているかを可視化させる)、喫煙しない人のための喫煙所を設置したり(そこに行く目的は喫煙ではなく、植物に水をあげること!)、ロッカールームでコミュニケーションを生むためにロッカーを人の目線より低いところまでしか積み上げない(ロッカールームでコミュニケーションが生まれる頻度が多いとのこと!)などなど、語り尽くせないほど色々な仕掛けがあるオフィスでした!
コクヨさんのオフィスはまた見学させていただきますので、またこちらのブログでもご紹介したいと思います。
最後に、最も心に残ったのは山下さんの「組織の戦略が先ずあり、その戦略を実現するためのワークスタイルがあり、そのワークスタイルを実現するためのワークプレースがある。なのでオフィスはツールです。」といった趣旨の言葉です。無理やり話をつなげるようですが、ややもするとそれ自体が目的と化す社内SNSの導入もこの関係に非常に近いと思われます。(実際に現場で苦労されている点も近いなぁと思いました)
冒頭でも触れましたが、社内SNSやオフィスといった ”場” を組織課題の解決にどうつなげていくか、この点について引き続き情報発信していきたいと思います。