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レオナルド・ダヴィンチの独り言

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 *ダヴィンチの手稿のコピー。去年、上野でやってたダヴィンチ展で購入。美しい。
 
レオナルド・ダヴィンチがアイデアやスケッチを何十年も書き綴っていたノートが残っています。現存するのは、5000ページ分ほどだそう。それらノートは「アトランティコ手稿」「アルンデル手稿」「パリ手稿」など名付けられていますが、そのうち「レスター手稿」だけはずっと個人所有のまま。現在の所有者は、ビルゲイツで、30億ドル(!)で手に入れたそう。
 
ノートや手帳に書くのが好きな人は、このレオナルドダヴィンチの手稿に憧れている人も多いのでは?私もその一人です。
 
ダヴィンチのノートには絵の書き方、技術の話、橋の設計や、数式など内容は多岐に渡っているのですが、独り言の文章も多く、私はこの独り言が大好き。気になるのは、怒りや苦悩な言葉も多いこと。
 
「わたしを軽蔑するな、私は貧乏ではないからな、やたらに沢山のものを欲しがるものこそ貧乏なのだ。」
 
「可哀想に、レオナルドよ、なぜおまえはこんなに苦心するのか。」
 
「私が学者でないから、ある威張り屋は私のことを文字を知らぬ人間だと断ずればそれだけで私をもっともらしく非難できるとお考えのようであることを私は十分承知している。馬鹿な連中だ!」
 
「侮辱に対する忍耐は、ちょうど寒さに対する衣服のような役割をする。衣服を重ねていけば寒さが増しても困らないように、たとえひどい侮辱をされても忍耐力を増せば、それによって悩まされることはない。」
 
もしかしたら、怒りや苦悩がわきあがったら、冷静になるためにまず文字にしていたのかもしれないですね。そして、結構短文が多い。当時Twitterがあれば、人気アカウントになっていたかもしれません。
 
上のダヴィンチの言葉の中で「文字を知らぬ(=文章を書くことができない?)」ということを何度も書いている箇所があるのですが、ダヴィンチのメモは全てちゃんと意味が完結した文章になっています。まぁ、そういうものしか公表してないのでしょうが。でも、私のノートを読み返してみると、完結された文章になっていないことが多いこと。自分で読んでも意味が分からなかったりします。意味が分からないならまだいい方で、字が汚すぎて読めないことも(そういう時は前後の文脈で解読!)。やはり、完結された文書で書くべきだと思いました。私こそ、文字を知らない!がんばります。
 
ちなみに、こんな文章も。
 
「おお寝坊よ、眠りとはなんであるか?眠りとは死に似たものである。おお、それではなぜおまえは、生きながらいやな死人ににた眠りをむさぼるのをやめて、死後に完全な生き姿をのこす作品をこしらえないのか?」
 
ストイックー。
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